2022年映画感想
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■ スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
トムホランドスパイダーマン3部作の〆作品。
最後を飾るにふさわしいオールスター出演&心残り回収祭りな快作。
ミステリオのクソ迷惑な置き土産、ピーター=スパイダーマンの身バレ&ミステリオが実はヒーロー!という誤解でえらいことに。
これ見てた時はそこまで意識してなかったけど、戦争やらワクチンやらで、どうしてそっちにそこまで突き抜ける?(しかも不条理なまでに狂暴というオマケつき)な人達を現実でたくさん見たので、いやスパイダーマン今までヒーローだったのにどうしてそこまで急に憎める?の流れが不自然なものではないとわかった。そういう人達は本当にいる。しかも想像以上に大勢。
告訴されたので弁護士…って話になって、マット・マードックがシレッと出てきた時の自分のテンションの上がり方ヤバかった。しかもこのマッ…というかデアデビル、自分の理想のデアデビルムーブである、視認外の攻撃をノールック感知&対応(ピーターの家に嫌がらせで投げ入れられガラス割って背後から飛び込んできたレンガを『そちらを見ないで』キャッチ。 これ!これだよ!デアデビルに求められてるのはこれ!!これ!(くどい)
ベンアフレック版デアデビルでも、もしかしたらあったかもしれないが(確か無い)この顔を「そっちに一切向けていないのに見えているかのように完璧挙動する」というのが盲目ヒーローの醍醐味だと思ってるので、ほんのちょっとのカメオレベルで出ただけでそれやってくれた辺り、脚本家(もしくはアクション監督)わかってるゥー!ってなる。
そんで困ったピーターがストレえもん何とかしてよ〜の流れ。世界の危機はだいたいストレンジのせいパターンに行ってマルチバース。何のかんので理屈つけてるけどとにかく大義名分(?)が出来たので多少のことは何やってもいい状態に。
前情報で出るとは知っていたけど、ドクター・オクトパスが出てきた時のテンションの上がり方がヤバかった(2回目) 見せ方も凄く「わかってて」遠くで渋滞中の車が吹き飛ぶ→高速道路の下から道路を突き破って車飛ばしてるテンタクルアームがチラ見え→ヌ゛ーーーッって1本が伸びてきて目の前にドアップでズガ!!→ズルゥ…って4本が蠢いてドック・オクがゆっくり現れて…「ハローピーター」
完璧すぎる!!完璧すぎる出現シチュ!!スパイダーマンヴィランではドック・オクが一番好きな自分としては最高としか言えない。しかもちゃんとライミ版のアルフレッド・モリーナ本人!CGじゃなくて本人。メイク技術でカバーしたのか、結構な年月が経っているけど違和感のないレベルでちゃんとドック・オク。やはり本人が演じるって大きいですよ。
なんやかんやでドック・オク制圧…から畳みかけるようにグリーンゴブリン登場。ゴブリンの姿より先にパンプキンボムから始まる登場シークエンス。(!…こ…この爆弾はッ!…! 知っているッ 我々はこの爆弾を使う者を知っているッ!)って視聴者にモノローグ出させる登場の仕方!わかってるゥー!(2回目) そしてドック・オクが漏らす「オズボーン?」 そうだったこの2人はライミ版で繋がってる同一世界の住人だった。集まるヴィラン同士でも顔見知りがいるってのに何かアガる。
そっからストレえもんパワーでかなり強引なシーンチェンジ。まあテンポよく進めるためとしてヨシ(偉そう)とにかく他バースヴィラン捕獲してコレクション状態ミッション開始。
んでエレクトロ!エレクトロも好きだけどドックオクやグリーンゴブリンのような爆テンション上がりはなかったな。流れでサンドマン。まあ便利な味方扱い。カプセル怪獣感。人気度がちゃんとわかってる感で、ここいらで一気にはしょって戻ったらリザード捕まってた。まあリザードはねえ…(唯一CGで役者本人じゃなかったし)
んで揃ったから戻すか→戻したら元バースの結末に沿って皆死ぬ→ピーター 戻すの良くない→ストレ いやそれがもともとの運命だし→納得できない の流れからバースを戻すボックスを奪って逃げるピーターとストレンジのチェイス開始
ここが実に良い。やはりストレンジはチートな強キャラであることを視聴者に印象付ける。本来手に負えないレベルでの逃走速度ムーブであるスパイダーマンのスイング逃げを、あの手この手でストレンジが無効化するシーンの気持ちよさ。空間がガラスのように割れてそこ抜けたら高度6000mくらいからニューヨークに向けて真っ逆さまに墜落しててビル群がレンズのように並んで中央にはさらに落ちていく穴が生まれて…という万華鏡のような派手で美しいストレンジ魔術の醍醐味がたっぷり味わえる。
なんやかんやでピーターが勝ってヴィラン達の悪性を『治療』することに。今回の話を面白くするための展開だからしょうがないとは思うが、公開当時も傲慢だとか、治療なんて言葉で誤魔化さず自分達に都合のいい存在への改造と言えなど賛否両論あったこの展開。今でもグレーだと思ってる。ヒーローものでは究極の問題のひとつ。
なんやかんやでネッドが魔術師の家系でポータル使える流れ。実にいい。ピーター呼ぼう→サークルの向こうからスパイダーマン来た→あれ…声違う…→マスク取る !!!
初見の人は …誰? ってなるかもしれんが、結構な数の人が『アメスパのアンドリュー・ガーフィールドピーター!!!』となってたはず。当然自分も後者。ここまでヴィラン出まくりだから多分出るだろうとは思いつつ、公開前の情報では「出ない」的なコメント出してたのでテンション爆上がり(3回目)
アンドリュー出たからそうだろうと思ったけどすぐさまトビーマグワイアピーターも登場!しかもトビーは最年長の貫禄的演出かスパイダースーツ着てない。わかって(略3回目 テンション爆(略3回目
この変則とは言え歴代3ヒーロー集合並びといえば、アレな世代として宇宙刑事勢ぞろい回を思い出してしょうがない。ライミ版だけウェブが体内精製であることにちゃんと言及するの最高。
しかしグリーンゴブリン@ウィレム・デフォー、凄い。ジョーカーとはまた違う邪悪な道化師的哄笑のインパクト。よわよわオズボーン時とGゴブリン覚醒時の邪悪さ、見事な演じ分け。
アメスパのピーターがこちらの世界のMJを落下から救えた時に何とも言えない表情になるシーンが本当にいい。アメスパ世界においては永遠の後悔といえるグウェンを救えなかった無念を、違うヒロインとはいえ今度は救えたという形で晴らせているシナリオは神がかってる。
シナリオ的にも納得できる「全員がピーターを忘れる」という展開。それにより現実世界では今までのシリーズの影響を一切クリアにして新シリーズをリブートできる。見事!見事すぎる。
一番古いライミ版からのキャストが無理なく出演できる限界の年代にこの作品の制作が間に合ったからこそ出来た夢の企画
3作目が一番ショボくて消化不良感のあったライミ版3部作、2作で終わって言うまでもなく中途半端なアメスパ2作。そして見事に畳んだトムホディズニースパイダーマン3部作。ノーウェイホームは実質これらの長大な物語の総決算、シネマスパイダーマン8部作の最終回とすらいえる作品だった。大傑作!
■ オーディション
三池崇史を有名にした2000年公開のサイコホラー。名前だけは知っていたがアマプラで観れるため観た。
まあストーリーは正直どうでも…(えー)特筆すべきはやはり終盤の拷問シーン。ワイヤーソーを使った人体切断をこれだけ丁寧かつ痛そうに描写するのは凄い。演出も役者の演技もいいんだけど、細かいこと言えば拷問受けてる主人公の男はとんでもない絶苦受けてるんだからもっと脂汗(もちろんメイク的意味で)出させた方がいいと思う。
■ 新解釈・三國志
お馴染みの福田雄一監督作品。三国志のお約束ネタにダラダラと突っ込みながら進めるコントが基本の展開。冒頭の桃園の誓いコントは面白かった。あとはチョイチョイ面白いとこはあるものの、面白いどころかイタすぎて見てらんないパートがそこそこあるのもいつものお馴染みの福田作品といった感じ。
大泉洋の面白さに救われて福田作品の中では結構好きかも。興行収益も40億とってて、映画監督としては微妙と思いつつも数字はしっかりとる辺りはさすがだなと思う。
■ バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
実に惜しい作品。中盤くらいまでは結構好き。時代設定がゲームバイハザが発売された1998年であることはかなり好き。あの時代の雰囲気があるだけで何となくゲーム再現感がある。
レオンが違うキャラになってるけど今回クレアが主人公だから、主人公キャラだらけになっても困るんで映画的には正しい選択だと思う。
ジルはファンが多いから賛否両論だけど、前シリーズ4で再現度高いシエンナ・ギロリー姐さんのジル入れたら主役のアリスとカブりまくって(というか主役の存在感食って)グダグダになってたから、やはり今回のでいいと思ってる。
というか今回のジルは舞台がラクーンシティだから名前こそジルだけど、黒人女性が演じててビジュアル的に実質バイハザ5のキャラ「シェバ」なので、まあそこらへんは脳内で整理するように という感じ。
ゾンビシーンがグダグダなのは(特に警察署格子でグギャーシーンをウダウダ流すだけ)は撮影がコロナど真ん中だったんで大目にみてやって欲しい。群衆シーン撮りたくても撮れなんだ。
今回のクレアかなり好き。というか演じてる女優のカヤ・スコデラリオがご贔屓なので個人的嗜好プラスボーナスが付いてる。ゲーム的な小娘クレアでなくてよかった。なんというかこの女優さん、絵に描いた外人美人女優顔なので、オーソドックスな『映画』にハマりやすいパズルピース。
今回のバイハザ、製作者ある程度狙ってると思うけど、ロメロが撮った『ゾンビ』(※タイトル正確にはドーンオブザリビングデッド)を思わせるテイストがあって、それにこの女優がよくハマる。ミラジョボさんはある意味美形すぎて本当にゲーム的なので、トンデモストーリーのスーパーSF面白アクションだった旧シリーズにピッタリ。おそらく若いミラジョボさんが今回のリブートでクレア演じてたら自分がイイと思った古い映画テイストからズレてたと思う。
ゲームのラクーンシティはそこそこの規模の街だったけど、本作では村よりチョイマシ程度の地方のさびれた田舎町になってて、そういう舞台設定がいかにも昔の予算がないゾンビ映画っぽくて良い(正確にはゾンビ映画じゃなくてロメロが撮った軍の細菌兵器流出事故で田舎町が閉鎖される映画『クレイジーズ』あたり)
もうここまで読んでおわかり過ぎるくらいおわかりと思うが、そういうので喜ぶの一部のゾンビマニアだけじゃない?ってポイントが結構抑えられてる。だから一部のゾンビマニアは中盤までは評価高い。 中盤までは。
中盤以降から終盤、そしてラストは…もう擁護のしようがない。いやそこはサラッとでいいから、なんでレオンが列車動かせるか序盤に伏線張っとけよと。ほぼ新規オリキャラなんだからさ。
Tウイルスで異形化してるけど助けてくれるリサ・トレヴァー。ゲームに出てきたから出したい気持ちもわかるけど、今作みたいな中途半端なポジションで出すなら止めといた方がよかった。リッカーはお前がステゴロでキルかい みたいな拍子抜けある。最後急に連れてかないで唐突グッバイでもう滅茶苦茶。こいついないだけでもっと話がスッキリする。
署長がとてもいいキャラだった。最後直前まで生きてて欲しかった。というかレオンの疑問に答えろよお前ら。ゾンビに慣れすぎ&街をすぐ出る判断できるのはアンブレラの所業知ってたからと描写しろよと。それぐらい察しろいう脚本なんだろうけど、そこは丁寧にやるべきとこだろと。
クリスがライターカチカチやるとこ。1回目は許す。
火をつけたら近くに様子がおかしい同僚が一瞬見えた。火消える。慌ててまたカチカチしてつける。同僚がこっち向いた。火消える。また火つける。そいつがこっちに近づいてくる。 もうここで何から別の動きするだろ常識的に…
火つける こっち来てる 消える カチカチつける 来てる 消える つける いない つける すぐ顔の近くでガウー
いやもうこれギャグでしょ と思って乾いた失笑してしまった。 序盤はよかったのになあ…(涙)
ゲーム再現すんのなら、大多数のプレイヤーがやってしまったであろう、どんどこ部屋開けて進んでったら、ある部屋に入ったらいきなりその部屋ゾンビうじゃうじゃいてパニックになるアレを感覚的に再現して欲しかった。
リッカーは強キャラだけど脳みそむき出しだから、実にショットガンによるヘッドバーストキルが映えるキャラなので、リッカーに襲われ大ピンチからショットガンヘッドバーストで大逆転しないとカタルシス解放されないやろと。
中途半端にいい人ウェスカーも微妙。Gウイルスで怪物化する研究者、ラスボスなのは構わんのだけど最後の形態、なにアレ…もうダサすぎる…せっかくそれなりにいい感じのゾンビ映画で来てたのにあのデザイン…最後で台無し
ダメ押しでカタルシスのカケラもない唐突かつテンポの悪いレオンのロケットランチャー。確かに最後どうせロケランでしょ ってゲームやったみんなわかってるけど、一応映画として演出しろよと。どう見てもやっつけ仕事。
序盤は古き良きゾンビ映画のテイストを再現できる喜びに満ち溢れた丁寧な仕事だったけど、後半、特にラストは荒唐無稽なバイハザの展開を全然調理できずにアワアワしたままやっちまった感しかない。
リサ無くす。リッカーはショットガンでヘッドバースト。ロケランまでの流れはちゃんと演出する。 あとギャグレベルのライターカチカチはカットする。
これだけで大分印象変わると思うんだけどな… いやホント中盤まではいいと思うんだよ。ゆっくりと周囲がゾンビ化していく恐怖。
荒唐無稽なオリジナル映画の旧シリーズは面白いけど、やはりあれはあまりにも名前だけバイハザだし、そもそもほぼゾンビ映画じゃない。
ちゃんとゾンビ映画になってるバイハザをやるという意味で、中盤までの本作はとてもよく出来てたんだよ。中盤までは…。ぶっちゃけビジュアルがイマイチなエイダがどうでもいい感じで出てくる蛇足パートとかもう本当にどうでもよくて実につらい。
旧作の方がマシいうか、普通に旧作はオモシロ監督ポール・WS・アンダーソン節がさく裂してる傑作だからアレと比較するのは(そりゃまあ比較するのは当然だけど)ちょっとかわいそう。
大コケしてるんでもう次作はないと思われ。いやホントもったいない…一応割とガチめなゾンビもので行くって意味でのリブートなんだから、ゲーム設定なんかもっと無視してちゃんとゾンビ主体でいけばよかったのに。
まあ旧作が好き放題だったから、ゲーム設定遵守は今作の条件みたいなとこあったから、難しいか…
■ ウエスト・サイド・ストーリー(2021)
うーん、普通(何それ)
いや…いわゆる名作ミュージカルの映画化として『レ・ミゼラブル』『シカゴ』『オペラ座の怪人』などを観てきたけど、どれも大変に面白く見ごたえがあった。
これらの作品に比べると本作は「ミュージカル映画」としてはイマイチな感じ。ダンスパーティのシーンや有名楽曲「アメリカ」のシーンは良かったけど、「クール」や他のシーンは自分にはイマイチピンとこなかった。映画としては正解なのかもしれんが、どうもミュージカルにはハマってない気がする(抽象表現)
ストーリーに今更ケチつけるのもおかしな話だとは思うが、昔に比べいろいろ世の中を知った今観ると、ワルだぜ!な不良少年グループのジェッツとシャークスは中学生…いや下手すりゃ小学6年生かってレベルのおかわいいこと…集団。俺たちゃワルだぜヘイヘヘイ♪とにかく最強マジ最強 みたいな(どんなん)
「そういう舞台劇」なんだから妙なリアリズムとか出す方がおかしいだろ という意見はごもっともすぎるんですがどうも馴染めなくて…
それにしてもいろいろヌルすぎて正直ダルい。
マリアとトニーも秒速でひと目惚れ、分速で運命の人、24時間で永遠の愛状態。カレピカノジョ状態で恋愛脳。そこらへんはもう爆速展開なのな。いや基本的にヤングメンのラブラブ悲恋モノに何言ってんだってことですが。
1961年度版を知る母君に言わせると、時代の影響だろうけど2021年版は人種問題前に出しすぎじゃないか だそうな。1961年版はそこまで人種差別描写強くないそうで。まあこれは仰る通り時代の影響を受けるんでしょうがないでしょう。
ベイビードライバーでは好きだったけど、本作で主役のトニー演じてるアンセル・エルゴートは正直もっさりしてて全然良くない(事前に女性問題スキャンダルを聞いてしまってるのも大きなマイナス)トニーがもっと輝いてたら映画全体の印象が変わったと思うんだけど、残念ながらダメな方向に印象が変わってしまっている。
文句ばっかり書いてるけど最初のツイートに挙げた名作ミュージカル映画作品と比較しての話なので、普通に最後まで観れるし良く出来てるのは言うまでもない。ただ、凡作だなと。
■ アンチャーテッド
冒頭の輸送機から落ちかけ荷物を伝ってのアクションは圧巻の一言だったけど(いきなりそこから始まる構成もいい)それ以降が急に尻すぼみになってしまった感がある。それでも十分面白いし、トムホは普通にピーター並みの運動性能で見てて気持ちいいんだけど、どうも妙にこねくったシナリオにしたおかげでヴィラン側がシャッキリしてない。
マークウォルバーグは好きだけど、本作のサリーみたいな詐欺師的食えない男キャラはあまり向いてないと思う。
あと後半の海賊船を吊り上げる展開。わかっててやってるエンタメ用の嘘と知りつつ、あのサイズのヘリ1機で簡単にデカい海賊船を吊ってホイホイ飛べるのがちょっと… リアル志向必要ないとわかってるんだけどあまりにも絵ヅラがお子様で好きになれなかった。
■ ザ・バットマン
ダークナイトとはまた違うリアル寄りのバットマン映画として凄く面白かった。
特に冒頭のチンピラをボコ殴りした格闘技術感じさせない粗野で乱暴なシーンが大好き。チンピラの仲間は当然として、助けたやつまでドン引きしてるのがとても良かった。
ゾディアック的な挑発をする連続殺人犯を追う探偵としてのバットマン。まさしくDC、ディクテイティブ・コミック、探偵漫画してて新鮮だった。チラホラと「実質セブンみたいな猟奇犯追跡もの映画なのに無理やりヒーロー絡められてイビツ」的意見も見かけた。わからんでもない。でもヒーロー映画じゃないと予算が出ないし、何より客が観に行かないってのも事実。
ヒーロー映画好きじゃない人にとっては不自然な話を見せられて不愉快かもしれないが、ヒーロー好きととしては今までにあまりない切り口でのリアルなバットマンが見れて俺得状態だった。
本作、リドラーのビジュアルやキャラ造形がいい感じのリアル寄りで大変にグッド。一方バットマンは頑張ってるけどやはり無理がある。『現実に』殺人事件現場にあんな恰好したやつがズイズイ入ってきて捜査まがいのことするのを正当化させるのは難しすぎる。
そこらへんゴードン使ってギリギリのラインで苦労して成立させてて涙ぐましい。さすがに現場ウロウロ程度まで許しても鑑識情報は伝えられないんで、あの世界観にそぐわないハイテクコンタクトレンズをバットマンが使っててシナリオ的に苦労してる。
リアル寄りで描かれている世界なのでバットモービルもかなり現実寄り。いわゆるマッスル・カー的なボディと大排気量エンジン。スタート前にエンジンを空ぶかしさせていると鉄の獣が吠えているような感じで実に格好良かった。
ネットで見かけたインタビュー記事から引用すると、監督のマット・リーヴス曰く今回のヒーロー開始2年バットマンは 「ジェームズ・ボンドではなく、異質なヴィジランテ」 であることを強く意識した そうな。ヒーロー業にこなれてウェイン産業兵器部門のノウハウでスーパーカーなバットモービルをオリジナル作成するような余裕はないので、市販車のデカくて速いやつをセルフカスタマイズして作った という設定なのだそうな。炎の中からジャンプで抜けてくるシーンはシビれた。
メインテーマとなっている ♪デーン… デデンデン… デーン… デデンデン… が繰り返される劇伴も印象的でとてもグッド
メイクがそうだからというのもあるけど、素顔の時点で陰とすでに陰鬱さが感じられる(誉め言葉)ロバート・パティンソンは本作のバットマンにはピッタリな役者。キャットウーマン/セリーナはゾーイ・クラヴィッツ、身長157cmしかない割にはスタイルがいいので単体だと違和感ないが、ロバートパティンソンが185cmと長身なので並ぶとセリーナがかなり小さくて昨今のハリウッド映画では珍しい比率だなと思った。
前半から中盤にかけては凄く好きなんだが、後半に無理に派手な見せ場つくんなきゃ感の大立ち回りや派手災害、頑張り救助があまり響かなかった。個人的には最後まで地味な探偵でよかった気もする。後半が好みの展開だったら上位に入れた。
■ タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
昔から面白い作品と噂は聞いていた(聞いてたいうか普通にネット感想で面白いって意見をよく見かける)
実際面白かった。とにかく人間は走るだけで何かあったら死ぬ運動エネルギーを発生させているということがわかった。ロマンスがちゃんと成立するのもいい。面白かった。
■ SING/シング: ネクストステージ(字幕版)
■ SING/シング: ネクストステージ(吹替版)
ちょっとズルい気もするけど感想が違うので両方観に行った字幕と吹替をそれぞれ1本でカウント。
字幕版はゴリラのジョニーがカフェで歌うショーン・メンデスの「There's nothing holdin' me back」がとにかくカッコイイ。吹替版では大橋卓也が日本語訳で歌ってたけどこっちはあまり響かなかった。
There's nothing holdin' me backはちょいちょい怪しいけどなんとか覚えてカラオケで時々歌ってる。
吹替版はワガママお嬢様をのポーシャ演じたアイナ・ジ・エンドが演技・歌唱ともに素晴らしかった。歌唱はみんな歌で大成した人を集めてるんだから凄いのはある意味当たり前なんだけど、アイナ・ジ・エンドは声優としてのスキルも滅茶苦茶高くて驚かされた。昨今の若い歌唱アーティストの声優スキル高い率は異常(竜とそばかすの姫の中村佳穂と幾多りら、そして今回のアイナ・ジ・エンド)次も何かしら続いたら偶然じゃないな。
話自体は最高の盛り上がりをみせた1には劣るものの、ありがちな2になると1での栄光は全部リセットされてる系ではなく、新たな高み系なのは良かった。往年のビッグスター「クレイ・キャロウェイ」は圧倒的に字幕の方がよかった(まあU2のボノだしね)
吹替版のB'z稲葉さんは想像以上に声の演技ガタガタで(地声じゃないハスキー声キャラだから難しいのもあるけど)歌唱もイマイチパッとしなかったのが残念ではあるけど、自分の得意楽曲系ではなく、ちょっと方向性が違うバラード系だったのでしかたないところもある。ただ映画のプロモーション的には非常に意味があった。
クレイ・キャロウェイはどうしても大物男性アーティスト(しかもメディア露出少なめ)が声あてないと面白くないので。いろいろ苦手な分野であることも自身でわかってたと思うけど出演してくれてそれはありがたいと思う。
シングはあと1本はいけるだろうからそれで3部作として完全完結だな。
■ バットマン リターンズ
今更?という感じもするが、これだけヒーロー映画好きのくせにずっと見ていなかったリターンズをアマプラパワーでようやく観た。わかってたけどバットマン映画であると同時に全力でティム・バートン映画だった。ほんとあの人作家性強いな。
昨今の刺激的なバットマン見慣れてしまうとちょっとタルいとこもあったけど、バットマンというよりティムバートン映画として普通に楽しめた。
■ オールドボーイ(2013米リメイク)
韓国での映像化が有名だけど、一番原初である日本の漫画版を途中まで読んだままでずーーーっと止まってて、韓国版み観たことないからずーーーっとストーリーの続きが気になってた。これもアマプラパワーで観た。ようやくストーリーのオチを知ることが出来た。なるほど、これはよく出来てる。
というかこの米国リメイク版、鍵になるヒロインをMCUスカーレットウイッチのエリザベス・オルセンが演じてるんだよね。大胆なベッドシーンでヌードとかあって結構びっくり。リメイクされまくるだけあってとても面白かった。見た後でコミック版、韓国版との違いをネットで確認したりしてそれも面白かった。微妙に設定が変わってるのね。
■ ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
やったッッ!! さすがサム・ライミ! MCUにド直球ホラー描写ブッ込んでくるとか そこいらの監督ではできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる!あこがれるゥ! いや割とマジで!
いやホントビックリした…ホラー風味とは聞いてたけどあんだけ露骨にやるかね。シャレオツなサイコホラー展開とか描写じゃなくて、80年代90年代のモンスターホラー演出を堂々と令和の、天下のMCUでやってのけて、モンスター役はスカーレットウィッチときたもんだ。
ヨロヨロしながらスカーレットウィッチが暗闇の中から追っかけてくるパートは本当によかった。
いろいろソフトになるよう調整してたけど、ヤバいバースの恐怖もチラホラ描いてたし、マルチバースはコズミック的恐怖と隣り合わせという危険さも感じられたし、それでいてダークマンやキャプテンスーパーマーケット的な悪ノリもやる。往年のライミファンとしてはキャッキャッって大喜びだけど、オシャレなMCUからしか見てない若い衆からすると 何 だ こ れ なんだろな…
ディズニープラスでのドラマ「ワンダビジョン」を観てないとわからないとこありと聞いてたので、ネットで先にネタバレ情報見て補完しておいたのが功を奏し、話はスンナリ理解できた。シュマゴラス戦も面白いし、個人的には大分満足してる良作。
■ シン・ウルトラマン
面白かったという人には申し訳ないが、自分の評価はかなり低め。なんというか、もったいない が正直な感想。
樋口監督の興味のあるパート(怪獣描写、戦闘シーンなど)の完成度はとても高く、オタク的エンタメ力は十分あるのだがそれ以外、ドラマパートが残念な出来。
気持ちを代弁してくれているので、ある海外の方の批評をwikiから引用
『シン・ゴジラ』は単なる著名なシリーズ作品のノスタルジックなリブートではなく、日本の官僚機構、軍事的能力の限界や東日本大震災のトラウマについて批評するための手段でもあった。『シン・ウルトラマン』は愛されてきたキャラクターを用いて現代日本社会を描くことにはあまり関心がなく、古いオモチャで遊ぶことのほうに興味があるようだ」と評した
ほんそれ…いや、シンゴジラみたいな大きなテーマや、現代日本社会を描いてないからダメってわけじゃないんだけど、せっかく子供向け怪獣プロレス荒唐無稽話とされていたウルトラマンを、現代社会で『SF映画』として描けるチャンスが来てたわけでしょ。
でも旧作に思い入れがありすぎたのがあかんかったのか、こう言ってはなんだけどwikiの言う通り、ウルトラマンという懐かしい「オモチャ」で現代のおじさんがこういうのはどうだ!って「遊んでいる」幼稚な作品になってるように思える。
本当にオリジナルのウルトラマンがやろうとしていた「SF作品」を作る意識でこれ作ったのか。みんなご存じのあの「ウルトラマン」を、あの怪獣を、自分で自由自在に動かしていいことに酔いしれちゃってるだけで、1本のSF映画として作る意識があったのか。
脚本は大筋その流れをやろうという意図はくめるけど、描かれた映画の内容はそうであると、少なくとも自分は思えない。
勝手に期待して勝手に失望して…とめんどくさい話をしている自覚はあるのだけど、あまりにもシン・ゴジラが素晴らしかったのでどうしても夢を見てしまったんですよ。真面目なSFとして描かれるウルトラマンを。
予算や人員、時間も足りなかったのは事実なのでクオリティが犠牲になるのはやむを得ないけど、どう考えてももうちょっとやりようはあったろうという気がしてならない。その最たるものが監督。
脚本は庵野さんが書いてるんだから全部を樋口監督のせいにする気は無いけど、やはりこのお人は特撮監督としては本当に有能だけど、映画監督としての才能はないとしか思えない。人物描写、アングル、間、演技指導 どれも凡庸か平均以下。
のぼうの城みたいに特撮監督:樋口 として監督は別の人がやってくれた方が、絶っっっ対に今より面白くなったはず。
そう、今より なんですよ。今のでもそれなりには面白いんですよ。それは認めてるんだけど、もっと伸びしろがある素材を台無しにしてる感がどうしても否めない。予算も人員も時間も同一条件で、今より面白く撮れる人がいるはず。
まあそんなこと言って、それが空虚な話であることはわかってるんですよ…(もやは感想じゃなくてただの愚痴)
科特隊(あえてこっちで書く)の時点でリアルにやるには難しい素材であることはわかってる。政府組織にするのはシンゴジからの流れでよしとする。でも指令所で状況モニターしている映像に逃げ遅れた子供が映ったとき、オブザーバーって設定の神永が自分行ってきますって指令所からそこに徒歩で向かうシナリオはダメでしょ。
まあ神永は善人だしそれをモニターで見つけちゃった最初の本人だから、自分が保護しに行きます まではアリだけど、隊長がわかった頼むぞはさあ…
指令所にいる神永が自分行ってきますが許せないだけで、オブザーバーなんだから、ある自衛隊分隊に同行していた神永が、部隊撤収する時に退避が遅れた子供を見つけて思わず独断で追ってしまい、子供は逃げ続け、林の中でようやく保護。その時にウルトラマン飛来して… ではあかんかったの? 指令所から自分行ってきますダッシュより絶対いいと思うんだけど。
対ガボラ戦、スペシウム光線シーン等、いわゆる特撮パートに関しては文句はない。いやちょいちょいあるけどまあ好みの話で現行のものでまったく問題はない。ちょっとメフィラスの動きが軽すぎたり、対ゼットン戦のウルトラマンの描写がどうも…(オリジナル特撮の飛行ポーズウルトラマンをパロディしていると思うけどあれはちょっと)だったりするけど、特撮に関しては基本的に文句はつけない。
人間パートでよかったのなんて、メフィラス星人の山本耕史だけじゃないのかな。あれも役者の山本耕史自身の演出という感じがする。監督があの演出プランでこの映画用のメフィラス星人をイメージして、それを山本耕史に伝えて…という流れでああなったと思えない。脚本の庵野さんですら、山本耕史のニュアンスとちょっと違うのをイメージしてたのではと思っている。真相はわからないが、自分の中では大変な人気を得たシンウルのメフィラスの功労者は俳優 山本耕史だと思う。
エヴァンゲリオンの制作過程などを見ると、庵野さんは自身で一度作ったものを見直して、それに自分自身で難癖というか、こうした方がいいという意見を入れて、初期案を改定しながらブラッシュアップして完成度を高めていくタイプに思える。
今回のシン・ウルトラマンの脚本はその初稿のままで進んでしまってそういったブラッシュアップができなかったという印象を受けた。もし時間や人に余裕があって、本人がブラッシュアップしながら脚本・監督として撮ることが出来たなら、ウルトラマンという最高の素材でもっともっと面白いものが出来たはずなのに、諸事情でそうはならなかった、ならなかったんだよロックとベニーが言うやつですよ。
だから、もったいない のです。ホント感想いうかただの愚痴だな
■ 恋は雨上がりのように
漫画は半分くらいまで読んだ、アニメ版は未視聴。実写の映画版「帝一の國」を撮ったお人で、実写ガンツ、実写キングダムの佐藤信介監督と並んで漫画を実写化することに長けている「永井聡(ながい あきら)」監督作品。
永井監督は2021年にオリジナルの猟奇殺人犯もの「キャラクター」を撮っててこれがよく出来てた。とても実力のある監督さん。そんな人が撮った作品なので、この恋は雨上がりのようにも素晴らしい出来だった。
主人公あきらを実力派女優小松菜奈が、冴えないおじさん店長近藤を大泉洋が演じてる。実力者の2人なので役者での問題はゼロ。しいて言うなら近藤は大泉洋じゃなくても他にやれる人いそうだけど、映画的には2大スターくらい出ないとプロモーション的に弱いのでやはり良いキャスティングといえる。
内容としては映画の尺でやれることを原作からそつなく取捨選択して、これまたそつなく描いていて、隙のない出来になってる。うなるほど面白いとかそういうことはないけど、この漫画を実写化したとしたら の、ほぼ最適解に近いと思えるくらいよく出来てる。
この実写版のメインテーマになっている楽曲「フロントメモリー」が滅茶苦茶に好き。一時期カラオケで歌いまくった。もとは神聖かまってちゃんというバンドの曲だそうだけど、それを鈴木瑛美子×亀田誠治のコンビで編曲しなおしてカバーしたこの映画バージョンのフロントメモリーが好き(原曲は尊重するけど原曲よりこっちの方がいい)
https://www.youtube.com/watch?v=EBATmXTR-8g
■ ガンズ・アキンボ
ダニエル・ラドクリフ主演。アマプラで観た。ネットで煽りばっかやってるクズが住所特定されて実銃で行うデスゲームに参加させられる話。両手に銃をネジ止めされて銃撃つ以外なにも出来ない。マグチェンジも出来ないので総弾数制限あり というのが本作の特徴的なところ。
冴えないやつがドンパチの世界に巻き込まれて最終的には凄腕 というとウォンテッドを彷彿とさせる。本作は低予算なのでそこまででかい話じゃなかったけど、うまくまとまってて面白かった。ラドクリフはもう一生食いっぱぐれないだけのお金持ってるのにこんなクセのある作品に出てるんだから、本当に役者が、演技が、映画作りが好きなんだなと。 ヘタに制限のある大作とかに出ないで、低予算でも自分の好きな作品に出続けていってほしい。
すでに自分の中ではハリーポだけに留まらない面白個性派役者ポジションに彼はいる。
■ ハケンアニメ!
今年唯一アニメ以外でマイトップ10入りした邦画。原作がそうなってるからそうなんだけど、ちょっとおちゃらけ気味なタイトルからは想像もつかない実に硬派で誠実な作品。邦画でアニメ制作をテーマにして、こんな奇をてらわない真面目な作品が作れるとは思わなんだ。もちろんタイトルの奇抜さやドラマチック演出の部分もあるけど、基本はクリエイターの葛藤を織り交ぜた熱い制作ドラマ。
本作のアニメ要素の大部分を、例えば実写邦画に置き換えても成立するほど、正直オタク要素は少ない。主人公のライバルとなる天才男性アニメ監督の王子監督がオタくさい長セリフ(数々のアニメキャラでぶっちゃけ抜いてきてベルダンディーや草薙素子を知ってる俺の人生を不幸だなんて誰にも呼ばせない的なやつ)を言うけど、ここだけ妙に作品から浮いてる。結果的にはオタ要素をいれない形でよくなった作品のように思えるけど、オタクとしては要所要所にオタクの業のようにオタくさいセリフを入れて欲しかったとも思ってしまう。
この唯一のオタくさいセリフを言う対談イベント時の、アニメをよく知らない女性司会者の空気ズレっぷりの描き方は見事だった。
吉岡里帆はこういう真面目で無理しててギリギリな役巧い。というか普通に演技力凄い。
アニメ制作の現場を茶化さず、真面目な仕事の世界ととらえてそこにドラマを作る それでちゃんと面白くする。なかなか出来ることじゃないと思ったのでそこを高く評価した。
■ ホリック xxxHOLiC
最初は観る気はなかったけど、この映画の主題歌であり、映画関係なしで大ヒット曲となったSEKAI NO OWARIの「Habit」に滅茶苦茶ハマって滅茶苦茶カラオケで歌ったということと、映画的にはいろいろイマイチ要素あっても、美術として特徴的な極彩色のセットを上手く撮る蜷川実花監督は嫌いじゃないので結局観た。
侑子さんは柴咲コウ。時代が違ってたら絶対杏がやってたなと思いつつ、ちょっと年齢的に厳しいかもと思った柴咲コウはうまいことやってた。ルックス的には切れ長目で似た雰囲気持ってるので良いキャスティング。
四月一日は神木くん。まあ神木くんはほぼオールマイティーの万能役者なので、変な使い方しなければ外さない超強キャラ。本作でも完璧。お見事でした。
内容というか映画の出来は…いつもの蜷川実花映画ってことで。まあこれは誰が撮っても難しい題材だとは思うけどね。
■ トップガン マーヴェリック
トップガンが最初に流行ったころ、デンジャーゾーンという曲名も歌っている歌手名も知らず、素直にトムキャットカッケーくらいしか思ってなかったあの頃。
後にエリア88を知り、少しずつネットなどで軍オタとしての知識が増えていくと、気にしてなかったトップガンのアレな部分が見えてくる。
敵だ!(いやどこ どこの国? 名前言わない 敵 だけかい)
敵の新型機ミグ28だ!(ミグ言っちゃってる まあ普通に冷戦中だったし まだソ連あったからソ連だし ソ連だからミグなんだけど、ミグ28という機体は存在しない。存在してないから好きにしていいともいえる。劇中でミグ28だ!って言い張ってる機体、どう見てもノースロップF-5で普通に米国製戦闘機。これアメリカとか韓国とかF-5が配備されてる国では軍オタがF-5見てミグ28!wみたいな揶揄を絶対してたと思う)
で、肝心のマーヴェリックの話。
そもそも公開の大分前(2010年くらい?)にトップガン続編企画始動のニュースを聞いた時、難しいだろうな というのが第一印象だった。当時はまさかロシアがこんなんになるとは思ってなかったので敵国どうするのか。やはり中国?いやでも冷戦じゃあるまいし露骨に仮想敵国ってのもマズいだろ。それ以前にハリウッドは中国市場でも儲けたいのに敵国にしてどうすんだって話だし。
話も難しい。F-14は全機退役しちゃったし(モスボール保管されてる機体はあるらしいけど)、現行の主力機はF/A-18E/Fスーパーホーネット。スパホはいい機体だけどF-14みたいなスター性はないんだよね。となると試験運用中の最新鋭機種とかがカッコイイ感じ?
2010年だとアメリカの翼の代名詞はF-22ラプターだけど、ラプターは空軍機なので、海軍であるトップガンには関係ないんよね。なら海軍用のF-35Cか?F-35は最新鋭メカの集合体的カッコよさははあるけど、流麗なボディで空を縦横無尽に飛びまわってドッグファイトする ってイメージの機体じゃないんだよね。というか実際に機体運動性能はそんなに高くない。
となると映画ステルスみたいに架空最新鋭機作っちゃう?いやでもそれじゃ映画ステルスの二番煎じだよね。ステルスで敵側(北朝鮮)がスホーイ37出しちゃってるから、トップガンでまたそれ出してもなあ…伝統の創作ミグでもいいんだけど。
てな感じだったので、映画ステルスを観るような戦闘機好きしか観ないマニアック映画に落ち着くだろう と思ってた。
そして撮影や上映スケジュールの延期に次ぐ延期のすえ、やっと公開されて蓋を開けてみたら…
まず未来感(未来感?)を満足させるために出てきたと思わせる(本当か)試験用極超音速機「ダークスター」。本編ともいえる後の作戦には関係ないものの、超最新鋭技術とほんの少しのSF感を出すことで最新鋭ハイテク好きが喜ぶ成分を放出(そんな人ごく少数)
そこから招聘と教官の流れ。年齢的に教官になるのは納得。いや教官としても米軍では高齢すぎるか。まあいろいろ微妙な齟齬はアイスマンが海軍大将まで出世していることで大体クリア。
おなじみの『敵』がウラン濃縮施設を稼働させようとしていて、そこを破壊しなければならなくなる。現地は当然ハリネズミのようにSAMだらけ。そして渓谷の奥にあり、強力な電波妨害がかけられていてGPSによる位置情報が攪乱される。なので巡航ミサイルが使えない。使えないというか命中精度が極端に下がるのに破壊対象ターゲットはデススター排気口レベルに小さい。しかもそこに2発ミサイル当てろとかいう無理ゲーミッション。
じゃあ普通にF-35Cでは?SAMだらけなんだからステルス機の出番でしょ となるべきだが、劇中だとGPSが使えないからF-35はダメみたいなよくわからん理由で却下されてたはず。別にスパホがやってるみたいにルートデータとジャイロ測定で行けるくない?と思いがち
これ多分本当にダメ。なぜかというと前述の通り、F-35Cは機体の運動性能がそんなによくない。渓谷を抜けてくなんて無茶苦茶なことをやれる機体じゃない。それになによりもこれが一番リアルな理由として『そんな撃墜されるリスクが鬼高い作戦に、超最新鋭機種を投入できるわけがない』 もうこれに尽きる。だからこの作戦にF-35が使えないのは極めてリアルな話だったりする。
じゃあ、スパホなら?スパホははっきり言って古い。正直今更な技術の塊で、撃墜機調べても最新鋭の技術は得られない。あと数が多い。ゆえに機体が安い。そしてF/Aの識別が示すように、F:ファイター:戦闘機であると同時にA:アタッカー:攻撃機なので地上攻撃専門家な機種だったりする。
さらにスパホの長所であり短所である低速域高運動性能。
F-15やF-22のように長い滑走路で離着陸し、侵入してきた敵機のエリアまで超高速でカッ飛んでいって高高度で迎撃する迎撃機:インターセプタ―は翼が高速用に調整されている。ゆえに高速時の機体安定および運動性能が高い。…だが反面、『低速時』にものすごく弱い。翼が高速時の安定用でしかないので、低速時に空気の層をつかまない。とにかく高速で動き続けないかぎりこれらの機体は安定しない。
だから高速度になるまで離陸できないし、高速度のまま着陸して長い距離で制動しないと着陸できない。ゆえにF-15もF-22も空母では運用できない(カタパルトで打ち出しても揚力が得られずドボン。着陸も止まれずドボンか直陸直前の低速時に揚力が足らず空母甲板に高い位置から高速で叩きつけられて実質墜落で爆発)
この高速と低速の問題をクリアするために、F-14は可変翼という超めんどくさくて超カッコイイ機構を組み込んだ。迎撃中はハヤブサの垂直降下時みたいに翼を畳んで高速飛行し、着陸時はフクロウが滑空して獲物を狙う時のように翼を大きく広げる。
F-14の可変翼は高速低速を両立させる凄い機構だけど、一番荷重がかかる主翼が動くわけだから丈夫で大掛かりな装置が必要で、さらに海の潮風で内部の複雑な可変翼機構が劣化してダメになる(構造上気密にできない)
F-14はただ甲板上に置いてあるだけで滅茶苦茶複雑で重要で高価な部分を定期的にバラして保守しなきゃいけないし、早いサイクルで本当にそこがダメになるから部品代と整備の手間がバカみたいにかかる。なので、同じ時期に製造されたF-15がまだそこそこ現役なのに対して、米海軍は金食い虫のF-14を全機退役させてしまった。
ようやくここでスパホの低速域高運動性能の話に。
そういった流れから、スパホは「高速域を諦めた構造」になっている。いや高速諦めたらインターセプタ―は誰がやるの?答えは迎撃ミサイル。昔はそこまで迎撃ミサイルが優秀じゃなかったので戦闘機がインターセプトしてたけど、いまや正確さも射程もミサイルの方が優秀な時代。なのでスパホは迎撃(高速)やめて、近接航空戦闘と地上攻撃に特化した機体になった。
スパホは最初からフクロウが大きく翼を広げたような特性を持っているので、低速でも失速せず高い運動性能を保つ。なので渓谷抜けピンポイント爆撃なんていうエリア88みたいなファンタジーミッションを実際にやるとしたら『本当に最適な機体』なんですよ!!
さらに、複数の攻撃機で核施設を強襲爆撃…そんな漫画みたいなことが…いや実際にあった。軍オタは今回のこのミッションの説明聞いた時、(バビロン作戦!)と大興奮。
バビロン作戦とは、1981年にイラクの核施設をイスラエルの戦闘機群(F-16)が強襲し、破壊した史実の作戦名。知ってる人はニヤって楽しいし、知らなくてもわかりやすくて燃える展開。本作戦におけるスパホの有用性もわかる人はニヤってくれといわんばかり。ライトな軍オタ大喜び。
敵航空基地に陽動で巡行ミサイル攻撃して、そんで何やかんやで作成成功するもトムとグースの息子撃墜されて敵領内に残されてしまう。ここらへんファンタジーいうか本作戦のザルなとこ。行きは渓谷抜け。帰りはSAM群エリアを気合とチャフで頑張って抜けろとか…実質特攻では?撃墜された機体が出たのは当然というかむしろ数少なくて済んだ方かも。(一応擁護すると劇中では本来ありえないレベルで機体とSAMの位置が近いので、ミサイルの加速が追い付いてないとか、近くて密集しすぎなとこで各機が一斉にチャフまいてるし、近くでSAMミサイルも飛びまくってるんで誘導が攪乱されてるという可能性はある)
で、敵地で孤立して絶体絶命…からのまさかのミサイル食らって大混乱敵航空基地から、駐機してあるのを目ざとく確認してた敵所有『F-14』を強奪脱出という神展開!このネタだけでこの映画は大勝利確定の満塁ホームランな脚本。
なんで敵がアメリカの戦闘機F-14持ってんだよ!ご都合主義にもほどがある!と怒ってる人もネットで見かけた。まあごもっともなんだけど、これもバビロン作戦と同じく知ってる人は知ってるネタで、現実世界のアメリカとイランが軍事同盟を結んでた時、アメリカはイランに当時最新鋭だったF-14をそこそこな数、販売してた。その後イランでは宗教革命が起きてイスラム主義な国となり急反転で反米化。両国の関係は途切れたが購入したF-14は使えるのでしばらく「敵国」であるイランがアメリカの戦闘機F-14を使っていたという史実がある。
その事のパロディ(?)として、今回の「敵」がF-14を運用してたということになる。このトップガンの世界のアメリカの「敵」国は、最新鋭第5世代ステルス機スホーイ57を運用しているからロシアでもあるし、F-14持ってて核施設も所有してたからイラクでもあるという、実にマルチな「敵」の総合合体国家ということになる。
この強奪F-14飛ばす際に映画的演出でコクピットでボタンポンでエンジン始動ではなく、ちゃんとAPUでエンジン始動するとこが本当によかった(いわゆるエリア88でいうとこの まわせーっ!のとこ)いろいろ映画的演出でいんだよ細けぇことはしつつも、抑えるべきポイントは抑えてるとこに好感の嵐。
最後にイヤなやつだったハングマンがいいとこ持ってって大団円。素晴らしい。これぞエンタメだ。
予告編観て度肝を抜かれてたので奮発して4DXで観た。我ながら完璧。大正解だった。
この世界、このあとどうなったのかわからないけど、戦闘機数機が小競り合いしただけのトップガンと違って、航空基地に巡航ミサイルで飽和攻撃&核施設に先制強襲爆撃を実施し破壊 までやってるんでどう考えても全面戦争に移行するとしか思えない。これで自制するんだとしたら「敵」すごい
ちなみに自分が作戦立案しろいわれたら空中給油で航続距離伸ばしたB-2ステルス爆撃機&護衛のF-35Cの編隊(※B-2はグアムから直接、F-35Cは空母から発艦し合流)で、核施設周囲の地形変わるんじゃねえかって勢いで夜間に高高度からバンカーバスター(地中貫通大型爆弾)落としまくります。え?B-2は空軍所属?いやこんだけの作戦、海軍独自で進められるわけないから無問題。Goの時点で大統領の決断後ですよ。
ヘタに架空戦闘機でやらなくてよかった(魔改造したスーパーF-14とか、両陣営ステルス機だとドッグファイトの時代が戻るかもしれないから運動性能の高い可変翼ステルス機を実験で作ったぞ!的なやつ。当然無理にもほどがある。というかそれ映画ステルス)
これだけのヒットは、わかってる制作陣と、ひとえにトムのスーパースター力。同じ内容でもトムが出てなかったら桁が違うレベルでヒットしてないはず。あと出てるバイクが冒頭はトップガンの時に乗ってたのと同じカワサキGPZ-900Rニンジャで、後半は最新のカワサキのスーパーバイクNinja H2とか、何から何まで完璧すぎる映画だった。
■ 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
現代のハイクオリティな作画で一年戦争のホワイトベースの人々が見れるというだけで感無量の作品。古谷徹も頑張って15歳のアムロを演じてくれたし(実際声が若返っててビックリ)、カイの古川登志夫も見事に当時のカイだった。故人となった人達の代役の人達もちゃんとニュアンスをつかんでいて素晴らしかった。
…だが、正直話が面白かったかといわれると…個人的には微妙であると正直に言ってしまおう。当時安彦良和さんがやりたかったことの成就なんだからこれでいいんだけど、自分の好みではなかったな。盛り上げ用にザク部隊つけてくれて楽しかったけど、それでもやはり難しかった。
ドアンザクを自己改造したからああなった理論で作画崩れから正式造形にしたセンスは見事だと思う。
不謹慎な話で申し訳ないが、富野監督と安彦良和さんが鬼籍に入られるのが今後早くて、団塊ジュニアがまだ力を持っていたら機動戦士ガンダムの現代風リメイクはありなのではと思えた。どうせ観るの団塊ジュニアがほとんどだから、そこらへんがリタイアしたら作る意味がなくなる。
■ 劇場版ゆるキャン△
ゆるキャンは連載時ずっと無関心な作品だったけど、ある時ネット上で最新刊まで期間限定で無料で読める というキャンペーンがあって、ケチだからその時に一気に読んだら見事にハマってしまった(読み放題企画した人がライトの顔で 計画通り してるのが目に浮かぶ)
そこからアマプラパワーでアニメも履修。すっかりゆるキャンファンになってしまったので観に行った。内容は…うーん、ちょっともったいない が正直なところ。すでに社会人になった野クル(野外活動サークルの略、キャラ達が所属)メンバーが久々に再集結して自前でキャンプ場を作るという話。
これ本当にゆるキャン△連載終了して何年も経って、キャラ達に会うの久々!な疑似体験からの流れならいいんだろうけど、こちとらちょっと前に活躍観たばっかだからバリバリ現役の時に未来の話持ってこられても…感がどうしてもあった(いやそんなキミのタイミングの話知らんがな なんだけど)
キャラクターの将来を早々と確定させてしまうと、そこに至るまでの展開(普通のゆるキャン△の時間)も影響を受けざるをえなくて不利益が多いと思う。そんなわけでちょっと内容には不満が残った。映画、クセのある展開にしなくてもいつもの話の拡大版で十分だったと思う。
■ ソー:ラブ&サンダー
バトルロイヤルよりは面白かった。最初のシリアスなソーが好きと何回か書いてるが、さすがにこれだけ年月が経つとおちゃらけソー路線にも慣れた。退屈せずに面白くは見れるけど、自分の中には何も残らんのよね。
■ 哭悲The Sadness
順位こそ低いものの、今年一番刺激的な作品といえばこれかも。内容が内容だから上映してる劇場が少なくて、ミッドランドスクエア2でしかやってなかったのでそこに観に行った。言うまでもないが人を選ぶ作品。
自分が一人で映画館に行って観るようになった最初の作品が、当時の名古屋駅のグランド4劇場で観た「死霊のえじき」で、ゾンビに内臓をグチャグチャ食われて死ぬシーンが出てくる、当時としても相当にショック系の映画だった。13歳がひとりで観るもんではなかったと思う。おぼろげ記憶だけど実際上映時ほとんど子供はいなかった。
ほぼキワモノのエグいゾンビ映画を名古屋駅の映画館にひとりで観に行く ということを37年ぶりにまたやっているということが感慨深かった。
まあ観るまでの話はともかく、映画の内容として …ちょっとゴア度予想値を上げすぎた感。ただ自分の予想とは違ったけど十二分に滅茶苦茶。緊張感あった。ゴア描写が話題になってるけど構成も良かった。展開がうまく話が面白い。
同じ様な事書いてる人多そうだけど、架空の発狂残虐殺人者ウイルスのパンデミックは存在してなくても、素で狂ってるとしか言えない凶悪な殺人を行う通り魔殺人者は現実に存在しているという事が何より怖い。地下鉄での刃物での通り魔的殺戮シーンは暗にそういう効果狙ってると思う。
CGの血じゃ、あの生生しさは出せんよね。やはり物理の血糊つよい。スキャナーズオマージュでしょ絶対なシーンあったけどロブ・ジャバズ監督やっぱりクローネンバーグお好きな方だった。
しかしなぜ人間はあの真っ黒い眼球表現を嫌悪し、恐怖するのか。極限まで瞳孔散大した死者のイメージだからか?遠目で見たセミの複眼のように黒い玉の目は昆虫の様な意思疎通不可性を感じるからだろうか。今作ではそれプラス狂的な笑い顔なので最強の合わせ技感あった。暴徒こわい。
後半はいろいろ雑になっていっててもったいなかった。ほとんどの大規模ゾンビものあるあるだけど、一番面白いのは初動のゾンビ化急拡大で日常が凄い勢いで壊れていくところ。哭悲もそこが一番面白い。
哭悲の最初の方が面白いのは、残虐狂人と日常生活がまだ隣接してるからなんだろな。もうマッドマックスみたいに全方位狂った敵だらけって認識すると残虐狂人もヒャッハーモヒカンもそう大差ないけど、飲食店でご飯食べてたら突然立ち上がった後ろの席やつが笑いながら自分のすぐ隣にいる人の眼に全力で箸ぶっ刺したらこわい。
店の奥でてんぷら上げてる人がこっちに来て沸騰油突然ぶっかけようとしてきたり、転んだ人の後頭部を複数の通行人が全力で何度も笑いながら踏み蹴り潰してたらもう強烈にこわい。哭悲の怖さはそれだったな。
今回の哭悲での残虐狂人化にアイアムアヒーローのZQNのような半水死体的不気味ビジュアルの要素を組み合わせると、何か新しいタイプの恐怖感のあるゾンビものが出来そうなんだけどな…誰か作ってくれないかな。
■ ウィリーズ・ワンダーランド
ファービー的センスの人形が怖いという感覚は名作ゲーム「ファイブナイトアットフレディーズ」が元ネタだろうし、仕事は違うけど店に1人という点が同じなのでぶっちゃけゲームのパクリ映画かと思ってたが、そんな事はなかった。
設定こそ似てるけどウィリーズはニコラス・ケイジを120%有効活用したワンダーランドなコメディで、作品の面白さのコアが全然別物。
というかこれ多分ファイブナイトアットフレディーズやってストレス溜まった人が考えたんじゃないかな。
最後まで一言もセリフがないニコラス・ケイジ。最高。製作者のセンスよ。
殺人人形、
(……殺…殺…殺…) みたいな感じのキラー的ポジで殺りにきたのに
(え ちょ… ちょ あっ ヴッ な なん あ゛っあ゛ッ オ゛ッっ! まっ ま゛ …) みたいな感じで無言のままのニコラス・ケイジに淡々と撲殺される。人形、表情ないのに戸惑いを感じる。すごい。
ニコラス・ケイジ、丁寧な仕事(清掃)が素晴らしい。映画が進むにつれどんどん廃墟じみた汚い殺戮舞台がキレイに掃除されていくという新感覚の快感。オンリーワンだよこれ。血(油)まみれシャツを都度着替えるのも気持ちいい。
滅茶苦茶真面目に仕事するけど契約通りの休憩はキッチリとるのも最高。製作者センスよ。アツいピンボールプレイもいい。休憩娯楽大事。
ラストは妖精タイプが生き残って…とかいらんかった気がする。
死亡役の若い衆が伏線気味に油を周囲に撒きまくってるから、悪役の建物オーナーには冒頭でタバコを吸わせて、最後も勝ち誇ってゲス笑い散々させた後タバコ投げ捨てして、一斉に燃え上がる地面で火だるまになってもらって、当然建物も大炎上して…みたいな流れの方が好みだな。
あ、ラストのカメ人形もああいうのじゃなく、ヒロインにボコボコにされた後で道路を這いながら
(…ハァ…ハァ…殺す…あの女… …絶対にころ)
くらいのとこで後ろから爆走してきたニコラス・ケイジのカマロに轢かれてバラバラ&道路のシミになる流れにしてほしかった。
どう見てもかなりの低予算映画だけど、センス次第で面白いものが作れるんだなとしみじみ再認識。面白かった。傑作。
■ ジュラシックワールド/新たなる支配者
もはや内容もよく思い出せないほど思い入れがない。ただグラント博士@サム・ニールやマルコム博士といった往年のキャラが、昨今のオーウェン@クリスプラットみたいな第二部的キャラと一緒に総登場的なサービス展開はとてもよかった。さすがシリーズ総決算。
あーそういえばクリプラのバイクチェイスで軍用生物兵器とした調教ラプトルが襲ってくるとこはよかったね。
もうネタがないし、スーパースターだからしょうがないけど ティラノサウルスは保護されているッッ!状態。なんやかんやでスゴイツヨイ恐竜が出てくるのはしょうがない。なんか爪がすごいのがでてきてティラノ保護サウルスとツープラトン決めてスゴイツヨイサウルスをやっつける展開もまあしょうがない。もう諦めてる。
もうこれでCG恐竜というコンテンツは打ち止め。今までお疲れ様でした。ああ…1作目はほんとうに素晴らしい作品だったな。もう1の感動だけを胸に秘めて今後は生きていくよ。
■ ONE PIECE FILM RED
いやね、ワンピ映画って大いなる水戸黄門的ワンパターンじゃないすか。
集まる→罠→伝説のすごい敵(大抵巨大化)→ルフィ怒る→勝つ でしょ。ほとんどが。
それ言ったら今回もズバリそうなんだけど、そこに至るまでにウタという要素が入っただけでこれだけ印象が変わるのかと。いままでは最終的にバトルをする展開を盛り上げるためだけに途中のストーリー(?)があったけど、今回はその途中のストーリーが「主役」で、巨大化敵とのルフィ怒りバトルがただのオマケなんだよね。
そう滅茶苦茶にすごい展開ってわけでもないんだけど、ド定番でしょ?って流れからそれ食らうとギャップがでかいって話で
水戸黄門で言うなら助さん格さんが印籠出してお馴染みセリフ言ってたら「…うぐっ…こ…これは…」「…ぐうう…お…お前もか…格之進」「こ…これは…」「そう、毒でさ」「!…八兵衛…お前…」「許してくれとは言いやせんご隠居。でもこれで皆が救われるんです。本当ですよ」
とかやり出したらオイオイオイマジかどうなるんだコレとかなるでしょう。そんな感じでした(いやホントかそれ)
信じるか信じないかはみたいな小ネタはさておき、この映画とにかく楽曲がいい。メイン曲である「新時代」を筆頭として「逆光」「トットムジカ」そして超高難度曲「ウタカタララバイ」を覚えて、まあこれらの曲カラオケで歌いまくりましたよ。
配信された直後から歌ってたから知ってるんですが、これらの曲で流れるアニメ映像、最初は期間限定だったんですよ。〇月〇日まで みたいなテロップが表示されてた。これはDAMでは当たり前の話で、たとえばその時期に放映してるアニメのOP曲とかは、放送終了しばらくくらいの時期までアニメ映像つけてくれるけど、データ節約のために放送後にしばらくしたら共通映像になっちゃう。
FILM REDも当初の上映予定から1か月くらいしたら消すつもりだったんでしょう。ところが蓋を開けたら映画が空前の大ヒットで、つい最近まで上映してたくらいの超々ロングラン上映。それ以前に自分みたいな人間がアホほど上記のようなFILM REDの曲歌いまくったし、いまだに歌いまくられているので、アニメ映像消すとかとんでもない!な状態に。
なのでいつのまにかシレッと期間限定映像の文字はなくなり、その期間が過ぎても映像はついてます。もう定番曲化したので今後も消えることはないでしょう。(追記:7月あたりでさすがに消えました)
訓練されたワンピファンは驚いたし、曲がぶっ刺さった人は楽しめたけど、映画自体はタルいとこもあるし、何よりワンピ知識がないとわからない本連載の莫大な数のワンピキャラがワイワイやるシーンが映画の大部分を占めるので、ワンピ知らない人が観たらまあ退屈だろうなという気はする。
■ ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
もとのヴェノムもタルかったけど、本作は輪をかけてダメだった。アマプラで観たけどほぼ流し見で、同時にTwitter開きながらそっちばかり見てた気もする。自分には全然響かなかった。その気はなかったけど劇場に行ったりしなくて本当によかった。クソ映画とかそういう類ではないけど、今年は粒ぞろいで面白い作品が多かったので、間違いなく本作が今年のワーストワン。
■ ラストナイト・イン・ソーホー
劇場に行くか迷うくらい期待してたけど、それほどではなかったのでセーフな感じ。かといってつまらないということはなかった。最後まで退屈せずに面白く観れるけど、大興奮させるとこまではいけないタイプ。監督はベイビードライバーのエドガー・ライト。相変わらず面白い作品撮る。センスのある監督。
ちょいオカルトの入った二重生活ミステリとでもいうべきか。現代にいる真面目な方を演じてるト―マシン・マッケンジーが美形。このお人、シャマランのオールドに出てた人なのね。ぶっちゃけスタイルもいい。今後も活躍しそう。
■ NOPE/ノープ
「ゲットアウト」「アス」で有名なジョーダン・ピール監督作品。
独特の不気味さと緊張感を描くのが巧く、非常に実力のある監督さん。自らが黒人(アフリカ系アメリカ人というべきかも)だからか、基本的に主要キャストは黒人。創作物における黒人の地位向上を目指す際、やるべきことは白人として書かれた物語のキャラに黒人を強引にキャスティングすることではなく、新しく黒人が主役の面白い話やキャラを創るべきだ。ジョーダン監督はそれを実践してるように思える。
なんでそんな話を挟むかと言うと、個人的にはあまりそっち方向には傾倒しすぎないでほしいのだが、良くも悪くも現時点では、ゲットアウトやアス、そして今回のノープに至るまで、全ての作品でジョーダン監督は黒人差別を主軸レベルで話に組み込んでいる。描くなとはいわないが、個人的にはほどほどにしてエンタメが主体であってほしい。
それに無意識につなげて考えてしまっているのかもしれないけど、電気屋の気の良いお調子者のあんちゃんは若い白人だけど主人公たち(黒人)のチーム入りして活躍して、あわやになるけど幸運で生還している。何かハリウッド映画における「おもしろ黒人」のポジションを反転させて白人であてているように感じてしまう。考えすぎかな。
キャスティングや差別問題はもうヨシとして、内容
まず冒頭がすでに良い。80年代のホームドラマ撮影現場で起きた惨劇。チンパンジーのゴーディが興奮状態になりキャストを殺害。皆逃げてほぼ無人のスタジオ。隠れて生き延びた少年。ゴーディに気づかれ接近され目の前に… この流れをフラッシュバックのように断片的に何度も見せる。
テーマである「見る/見られる」や騒乱時に飛ばされ、床に垂直に落ちてすごい偶然で垂直状態でバランスがとれた靴で表現された「最悪の奇跡」などが組み込まれている重要なシーンだけど、そういうテーマうんぬんさておいて、このシーンの緊張感がすでに凄い。なんでこんな緊迫した雰囲気で撮れるんだろう?やたらリアルな音響だろうか?音の時点で凄い臨場感がある。あとロケーションの照明が絶妙に生々しい。明るくもなく、暗くもない。このシーンだけでもジョーダン・ピール監督の非凡な才能が見て取れる。
ここ以外でも主人公OJの父親が馬を調教中に、ピュンピュンと風を切る音と共に周囲で小さく破裂するように砂が舞い上がり、父親は唐突にドサリと馬から落ちる。このシーンの 何だ…?いったい何が起きている…?!という状況のわからなさという恐怖がすごい。
肩透かしの悪趣味なドッキリで終わったけど、悪ガキどもが化けてた 異星人…?のシーンも怖さも凄かった。ちょうどこの辺りまでは「異星人」が恐怖の襲撃者なんだろうな と思ってしまう時間帯なので効果抜群。
しかしこのシーンの不気味さを考えると、ノープではやってないけど、ベタベタすぎてギャグに思われそうな敵性エイリアンが人間を拉致して殺す恐怖の存在であるホラーって、案外怖いし面白く出来るのでは。
このノープを面白くしてる設定は何と言ってもGジャン(円盤型飛行捕食生物)が自身の周囲の電気を無効化する能力持ってることだよね。電気を奪われるだけで人間は恐ろしく弱い。接近を知らせるシグナル演出にもなるし、素晴らしいの一言。
獣は目を合わせると襲ってくる理論で、Gジャンを「見てはいけない」設定も凄い。何かこの辺りを「見る:見世物=支配する/見られる=被支配」という構図でテーマとしてるそうだけど、映画の緊張感を作り出すギミックとして「滅茶苦茶恐ろしい存在がすぐ近くにいるのに、そちらを見れない」が成立するので、このギミックが先でテーマが後付けなのではとすら思えてしまう。
そしてここが映画のいいところで、正体がわかるまではカメラも襲われてる人間主観でGジャンを見れないが、正体が判明すると、襲われてる人間とGジャンが見える位置にカメラがあるので、双方の状態が見れる。見てはいけない恐怖がわかり、置かれている状況を俯瞰して把握することが出来、何よりGジャンをしっかり見れるという快感。これでGジャンが最後まではっきり見れない(カメラに映らない)展開だとストレスが溜まったと思う。
おおむね後半の展開は素晴らしいんだけど、雇ったカメラマンが特攻気味でGジャンに食われながらでも撮りたい!って無茶するのが唐突すぎて違和感ある。あれ何とかならかったもんか。こいつが撮った映像あったら、ラストでOJの妹のエンジェルが機転で撮ったアトラクション用カメラでの奇跡の1枚の価値がなくなっちゃうから殺したように思えてしまう。
ではどうしたら?ってなるけど、対案は考え付かない(ダメじゃん) 遠くで撮ってたから気づかれなかったけど、風で飛ばされた大きめのボロ布が近くの低木に引っ掛かり、空いてた破れ穴二つが偶然「目」のようになり、それでGジャンに気づかれて接近されてやられちゃうとか…これもご都合かな。とにかく不可抗力のトラブルだとベストなんだよな。あとGジャンが無機物でも目だと思うものは攻撃してくる=ラストのアドバルーン人形に襲い掛かる の伏線にもあるかなと。
Gジャンが謎の大拡張するのはジョーダン監督がエヴァ破のラミエルの影響だと明言してた。まあ派手でいいけどあれ必要だったか?という思いは個人的にある。 繋がった飾り用の旗だけでも『喉?』(呼吸器?)に詰まらせてるくらいなので、あんなデカいバルーン人形飲み込んだら窒息するのはアリな展開。
Gジャンの眼のように見える中央の黒い穴(というか口)の直径はどんなもんだろうか。30mくらい?それから考えると全幅は100mくらいあるんじゃなかろうか。こんな巨大なもの倒そうと思ったら爆薬かガソリンだけど、そのどれでもなく、バルーンという「巨大なもの」で倒すラストは想像してなかったので感動すら覚えた。しかもちゃんと伏線として何回も登場している。
囮になったOJが最後に現れるが、不自然な演出があるので妹であるエンジェルの願望幻想だろう。これも必要だったかなという気はしてる。わかりやすくOJは食われて死に(描写する)、エンジェルだけが生き残る流れでよかったと思ってる。
いろいろテーマだ何だかんだあるらしいけど、個人的にはいらんかったなと。いやゴーディ絡みのシーンは滅茶苦茶面白いんだけどね。
成長少年=ジュープがOJ達より先にGジャンの存在に気づいてて、少年時代にゴーディに殺されそうになったけど助かり、その際ゴーディと心が結ばれる直前だったと勘違いして、自分は特別な存在と思い込み、Gジャンを調教して支配下におけると考えて、全部勘違いで自爆して観客と一緒に食われて… って映画でやってたけど、このジュープの物語が本編との噛み合いが悪くて浮いてる感じ。
ジュープとGジャンとの接触はOJより先とかじゃなく、同時進行で、ある種のライバル(?)くらいでよかったかも。完成品でもおおむねそういう流れなんだけど、ちょっとニュアンスが違うんだよな。うまく言えない。
ダラダラと書いてしまったけど、面白かったことの証左でもある。ジョーダン監督、次はもっとエンタメにウエイト置いて予算バンバン使って怖い面白いの撮ってください。
余談:あなたが家にいるときGジャンが現れたら?スマホで写真…撮れませんね?デジカメで…撮れませんね? フフフ…自分は撮れます。ある棚の引き出しに「写ルンですワイド版12枚撮り」が1つ入っているからです。残り撮影枚数3枚。昔現像に出すのを忘れて、撮影済み9枚に何が写っているのかも忘れたので不明というよくわからないブツ。これでGジャン撮って勝つる!(見たので食われる
■ ゴーストバスターズ/アフターライフ
例によって思いつきを無駄に長文雑記。
冒頭。緊迫感のある良いつかみ。「シャンドア鉱山」の字幕。
イヴォ・シャンドア!ゴーザマンションの設計者!この字幕だけでテンション爆上がり(早すぎ)
…で、そっからの展開。この映画、ここからの展開で大きくお客を逃してる。自分みたいな訓練されたゴーストバスターズ信者はまったく問題ないけど(冒頭でテンション上がりまくったし) 信者じゃないや初見勢からすると、ここからダラダラと続くフィービーたちの引っ越し物語は相当退屈なはず。
やはり皆は明るく楽しいゴーストバスターズを期待して見るので、田舎町に生活困窮で引っ越すことになった母子家庭をダラダラ見せられてもな…ってなりますよコレ。
信者はフィービー達がイーゴンの子孫ってわかるだけでテンション上がるし(チョロい) わりとすぐにジャニーンが出てきてテンションMAX(沸点の低さがこわい) いやジャニーンは本当に嬉しかった。距離感も絶妙。イーゴンの子孫たちと初見な時点でイーゴンとジャニーンの距離もわかるし、ジャニーンとの会話だけで滅茶苦茶興味津々だったけど、そこまで盛り上がるのはマニアだけで一般的には退屈なトークパートだし、初見勢にとってはわけわからん会話でストレスといっていいくらいだろう。
この辺りの温度差は難しいところ。製作者がどちらを選ぶかって話になってくるけど、ジェイソン監督はおそらく世界最高のゴーストバスターズガチ勢なので、どうしても後者寄りになってしまうんだろうな。
ジャニーンだけに限らず、イーゴンの残した家で本が平積みタワーになってる時点でマニア的にはもうたまらんかったです(1で出てるゴーストがいる証拠)
フィービーは主人公でイーゴンに深く繋がってるから見てて飽きなかったけど、残念アニキのトレヴァーのパートは敬虔な信者をもってしても正直タルかった。ラッキーとの関係性を丁寧に描いてるとも言えるけど、正直なんかピンとこないとこでもあった。
一目ぼれはヨシ。理屈じゃない。その後トレヴァーがいろいろ揶揄される流れが続く。田舎町に来た新入りへの対応としてリアルっちゃリアルだけどトレヴァーに感情移入してるから気持ちのいいもんではない。ちょい慣れしてきた頃に、山行かない?→行く から急に関係性が深くなり、他のバイトとの仲も良くなる。これ、こういうもんなのかもしれないけど何かピンとこないというか…これだけ尺とってこれなら、トレヴァーの揶揄パートいらんかったんではと思う。
一方、フィービーの方はメチャ自分好み。
片田舎の学校のボロ設備なんでいまだにVHSで、しかも学校のレベル低いから先生が クジョーでも見ててくれ 状態。これ田舎低レベルの誇張演出なのか、割と本当にこれに近いのかわからないけど、これは多分「つまらない、こちら(この普通の学校)に関わる必要はない」と思わせる演出なのだと思う。事実、以降でいわゆる普通の学校生活の描写がほぼ出なくなる。
即座にそれ実施するかのように、「普通の学校」を無視してグルーバーソン先生と異常地震についてのトーク。ここ本当にいい!本当にいい!(2回)何がいいといえば、ただ地震が多い、おかしいわね 何かあるわ だけで終わらせないところ。
断層の有無といった地域の地質構成、P波、S波といった地震波の特性、こういった地震の内容についてちゃんと科学的に言及する脚本、これだよ!幽霊退治なんていうバカげた荒唐無稽にちょっとだけ振りかける本当の科学要素。
『これ』が滅茶苦茶好きな自分はテンションMAX(やすいMAX)グルーバーソン先生はどっかで見た顔だと思ったけど、アントマンのポール・ラッドだと認識したのはエンドロールでという…(だめじゃん)
ポッドキャストは最初見た時からそう思ったけど、明らかにグーニーズのデータのオマージュというか、影響を受けたキャラ(裏取ってないけどほぼ確信)ジェイソン監督はモロにグーニーズ世代だし、今作もはみだし少年少女のチームものってことで完全にグーニーズやITのルーザーズクラブ要素持ってるから間違いない。というか、要素どころか『グーニーズでゴーストバスターズ』をやっている作品とすら言える(本当か)
つまり「そういうキャラだよ わかるだろ?」って行間で言ってるかの如く、ポッドキャストは片田舎には異質だけど存在し、グイグイ絡んできて仲間が成立する。この仲間が成立する流れもいい。本来ならフィービーはコミュ障だから関係性成立させるの難しいはずなんだけど、ポッドキャストは自動でグイグイ絡むし、フィービーにとって大きい事がらである自分のジョークを「面白い」と言ってくれた人物なので仲間になる流れがすごく自然。
フィービーとゴーストとのチェスが良い。ありえないはずの不可視存在によるチェス移動を目撃したのにそんなに驚かず「そうくるか」でチェスの手の方に興味を持つシーン。前日に動いているところを見ていないとはいえ、自分以外動かすはずのないチェス駒が移動していた時点で「何か」がいることをすでに確信しているがゆえのシーンだと思う。前日のシーンがないのにいきなりコレでフィービーが驚かないとちょっと不自然だけど、前日を入れることで無理が無くなりフィービーの性格もわかる。地味だけどとても良い。
床パズルを解いてゴーストトラップを見つけるフィービー。ここでようやく「ゴーストバスターズ」が動き出した感があるけど、まだ本格的ではない。
グルーバーソン先生にトラップ見られたら先生大興奮。フィービー達ポカーン。1984年NYのゴースト騒ぎは世代の大人(特にグルーバーソン先生みたいなマニア)には知ってて当然の大事件だったけど、若い世代には全然伝わってない様子。
これを是とするか非とするか。もちろん是。ゴースト騒ぎはNYだけだし、おそらく正式な科学の学会でもあれは集団ヒステリーだったのでは?という意見が出てそうなくらいの短期間の異常な状態。当時NYで体験した人ならともかく、ニュースでしか見てない層は眉唾な感覚だとしても納得がいく。グルーバーソン先生はマニアなので当然大興奮で知ってる。
ゴーストトラップ!なつかしー!メチャよく出来てるレプリカじゃん!ってなる感覚。我々に近いものであてはめると何だろう?ヨーヨーブームで町に来てた世界チャンピオン? 文房具屋やおもちゃ屋で売ってた昆虫標本セット? 今も売ってるからちょっと違うけどタミヤRCのグラスホッパーやマイティフロッグ?
みたいな、自分が子供の頃アツかった文化だけど絶対今の子知らないし、基本的に調べない限り消えたに等しい小さな歴史 みたいな感覚なんかな。話がそれまくった。まあとにかくフィービー達の世代にゴーストバスターズは伝わってない。
ゴーストトラップ本物?からの、中にゴースト入ってるか見たくない?の流れ。フィービー達は事の重大さを知りようがないし、先生はマニアだからわりとヤバいと知りつつ好奇心に勝てない。だよね。わかる。
トラックバッテリーからの通電。…あれ、開かない…からの唐突解放!おなじみの音楽!観客は知っている!解き放たれたのはテラードッグ、門の神ズールか鍵の神ビンツ!(いやそこまで知ってるのはマニアだけ)急激に物語が動き出す。実質ゴーストバスターズが動き出した瞬間だが「まだ」完全に動き出したとはいえない。
フィービーの家で古地図を見たグルーバーソン先生。楔形文字使ってるのにここ(サマーヴィル)の地図!?って驚く。先生は地震学者なので地図の特徴でサマーヴィルだとわかっても不思議じゃない。ママは科学オンチ。うむ、こういう人はいる。個人的な話だが基本的に自分の姉は割とこのタイプ。
フィービー地下室発見(発見というかP.K.Eメーターでイゴンゴーストに誘導された)イゴンの眼鏡とフィービーの眼鏡が同じなのがアツい。ママがあんな感じなのでフィービーが目が悪くなって眼鏡が必要になったとき、父親が使ってたブランドの眼鏡は知ってたんで特に感傷もなく(このママなので間違いない)同じのでいいや って買ったんじゃないかと。フィービー自身もイゴンに似てるので良いと思う感覚も近いんだろう。変更できる物心がついた後もこの眼鏡を使っている と想像する。
もうチェスの時点で意思を持つ不可視存在、ゴーストが実在していることを認識しているので会話も普通にしてる。まさかのプロトンパック修理。中身見て「CRTエミッターがない」 ななな何CRTエミッターて トランジスタのエミッタは放出、コレクタが受け ダメだようわからん。超小型イオン加速装置に驚くフィービー。 イゴンが答える MIT出身だから。ライトな知識の人としてはマサチューセッツ工科大学の名前出されると無条件で納得してしまうチョロさ(怪しい商品をNASAが開発した!で騙される人を笑えない)
このパートでフィービーの知識はハイレベルな機械工学もカバーしてることがわかる。壊れてて修理が必要 まではいいとして、部品名単語を出す辺りが本当に自分の好み。しかしまあエンタメフィクションにどうこう言ってもしょうがないが、扱ってるハイテク機器に対して工具がDIYすぎんかとも思うけどこれはご愛敬か。
で、修理が完了したプロトンパック試射。ポッドキャストが背中のパックのスイッチを入れると…
ビヒュゥィイキィィイイン!!!! …ヴン … …ヴン … …ヴン …
!!!!!! 必要以上に大きな音で鳴り響くプロトンパック起動音!!劇場で初見した時背筋がとんでもなくゾクゾク!静かにだけど最高にテンションアップ。間違いなく『この瞬間』に、このプロトンパック起動音が鳴った時に、『ゴーストバスターズが始まった』!と実感。勝手な思い込みかもしれないが、ジェイソン監督もこの起動音演出を大きな節目としてると思う。ぶっちゃけこのシーンで感極まって少し泣いた(マニアの熱こわい)
で、ここからがちょっと難しいところ。停滞していたストーリーを急いで動かすためとはいえ、試射したすぐ近くでタイムリーに最初のゴースト。ご都合ではあるけど早く進めるためには致し方なしか。
最初の、というかほぼ唯一のゴースト「マンチャ―」。あの有名なアグリーリトルスパッドを彷彿とさせつつ別デザインでとても良い。あまり過去のゴーストにいなかった青色であることもカブりを回避するため効果的。
余談だが当時の映画雑誌スクリーンにはアグリーリトルスパッドはオニオンヘッドって書いてあったから今でも違和感。オニオンヘッドはオニオンヘッドだろ!正式にはスライマーらしいけどますます違和感。もうアグリーリトルスパッドでいいや…
当時の映画雑誌スクリーンは父親が買ってたものだけど、もう何回も何回も読み直した(買った本人はわりと流し読みで終了)当時は映画は観たら終了で、それ以降記憶とパンフレット以外もう無いもの(忘れた頃くらいの先にTVでやるのを待つだけ)だったけど、雑誌の特集は映画で観た大興奮の時期に各シーンのいいところの写真と知らなかった詳細情報が見れる。
あの犬みたいなやつはテラードッグっていうのか…ほんとだ…そういえば狛犬みたいだ…あの緑のはオニオンヘッドっていうのか ゴーザ、ゴーザこわあ…(赤い目をむき出しにした怖い写真だった) あの凄い特撮をやった人はリチャード・エドランドっていうのか などなど。スクリーンがなかったらゴーストバスターズに対する熱意は大分薄くなったと思う。映画での大興奮をこの雑誌の数ページの特集だけで何回も何回も追体験したのが大きな要因。
話がそれまくった。
とにかくVSマンチャ―。鉄を食べるゴーストなので怒らせると鉄片?を散弾のように口から吐き出す。芸があるし派手だし、ゴーストは危険という緊張感にもなる。この飛び道具描写、地味に重要なポイントだと思う。
一転してトレヴァーがゴーストバスターズの車「ECTO-1(エクトワン)」修理中。エンジンがかかりそうでかからない。配線が勝手にくっついて(というかイゴンゴーストが力を貸して)直る。ここの描写も好み。何か知らんがエンジンが直る だけじゃ子供っぽい。で、エンジンかかった!イエス!(バン!)喜んでダッシュボード叩いたらボンネットが閉じてガレージの外の広大なトウモロコシ畑が見える。イカす演出。
そこからECTO-1での爆走シーン!ここは本当に最高。かかってるノリノリの曲、バズコックスの “ボアダム”という曲だそうで。セックスピストルズみたいと思ったらバズコックスはピストルズに憧れて結成されたバンドとか。なるほど。
で、マンチャ―を逃したフィービー達と合流。ECTO-1の走り、銃座、RCカートラップを駆使してマンチャ―捕獲成功!ゴースト捕獲シーンはやはり楽しい。
特に銃座ギミックには大興奮!ECTO-1がまるでテクニカル(※)に!
(※市販非軍用車の武装改造車両を指す軍事用語。トヨタのハイラックスの荷台に20mm M2機関砲を搭載したものなどが有名)
このギミックがどっから出てきたんだその質量 みたいなCGフワフワカシャカシャ構造じゃなくて、鉄と歯車とスプリングとレバーによる物理駆動メカニズムなのが本当にいい。個人的にはECTO-1の銃座はこの映画の面白さの20%くらいを占めてると思う(そんなに)
いろいろあったけど結局ブタ箱行き、昔のゴーストバスターズのレイ(ダン・エイクロイド)に電話かけても、けんもほろろ。切れる直前にイーゴンの孫情報伝達。いい流れ。
次の見せ場はグルーバーソン先生がウォルマートでゴーストに襲われるパート。超ビッグネーム「マシュマロマン」が登場。予想外のミニサイズ。だがこれは…これは…サイズうんぬんより、もはや別のモンスターと化している…! もう明確すぎるほどに「グレムリン」!!
ジェイソン監督、そんなに好きか80年代!わかる!愛がすごい! グレムリンに愛を込めたオマージュをたっぷりしつつ、自分のオリジナル作品としてのミニマシュマロマンというモンスターに昇華。
マシュマロマンらしい面白さとヤバさを描き出していて、このパートも素晴らしいとしかいいようがない。VFXの技術も素晴らしい。無邪気に遊びながら同族殺しや自殺するマシュマロマン。笑いに混ぜられた残虐・残酷性。コミカルゴア。本当にこの辺りがグレムリンすぎる。小ネタもいい。チラッと映る、グリルで焼かれながら歩いてきた個体が最後に自身の溶けた高温液体マシュマロに沈んでいく時にサムズアップしてるとか最高。
テラードッグは忠実にオリジナルに似せてる感じ。オリジナル版のストップモーション特撮ぽさを残そうとしてるように感じる。口なども、CGならもっとリアルな動物の顎骨と顎筋肉の挙動で複雑に開口できるはずなのに、若干オリジナルマペットの ガパァ みたいなヒンジひとつの模型的開口っぽさを残しているようにも見える(気のせい)
シャンドア鉱山の内部調査。地震の原因は、地獄の窯のようなゴーザ召喚用の穴(?)から定期的に湧き上がってくる無数のゴースト達を、周囲に設置したプロトンパックの陽子ビームで押し戻す自動装置。多少強引だが面白い設定でとても良い。壁画の予言の数字はオカルト感あってよかったけど、公開した年がアメリカから1年遅れたので滅びの年、去年やん…ってなったのがちと悲しい。
ここでこの映画で唯一といっていいくらい明確な不満点が出てくる。イヴォ・シャンドアだ。これだけ名前出してきたんだから本人出したいのはわかるけど、存在が強引なうえに中途半端すぎる。レーニンの遺体みたいにガラスの棺に納められていて、死体だけどゴーザの影響(?)で蘇ったりまた戻ったり。コメディだからこういうドリフ的なのもありなんだろうけど、シャンドアはゴーストバスターズの裏設定にあるガチなオカルト恐怖であって欲しかった派の人なので、ああこういう…みたいな落胆があった。
なんやかんやでゴーザ復活したらシャンドアも雑に生き返って。唐突にゴーザにおおゴーザわたしがあなたを蘇らせたさあわたしたちで世界を支配しよう てな感じのセリフ言ったか言わないかくらいで紙破るみたいにゴーザにビリッって半分に割られて退場。…いやー…ジェイソン監督。これはいらんかったよ。間違いなく。シャンドアは過去の亡霊でよかった。日記や予言書の著者であって、もう故人でいてほしかった。
まあインディの悪役みたいに最初から堂々と出てきて悪さして、で、ゴーザにやられる みたいなクドいお子様展開よりかは、不愉快が短時間で終わってよかったかもしれない。
復活したゴーザ。眼球が黒い…うーん、1984年復活時の血色の眼球が好きだったのでかなりがっかり。ゴーザの周囲にはスモークが物理で漂う。うむ。これでいい。これがベスト。CG処理ではなくアナログスモークが大正解。で、フィービーのビタイチ面白くないジョークでゴーザの気を引くシーン。ここはつまらないネタでダダ滑りで正しいシーン…なんだけど、あまりにネタがつまんなくてゴーザに共感する。死ぬ準備は出来たか? あんたは? のセリフは最高。
気を引いてる間にRCトラップで門の神ズールのテラードッグをトラップ捕獲してママ人間状態に復帰。取り返すべく追ってくるゴーザをイゴンが用意した家畑のトラップ群で迎え撃つ。納得の展開。
うーん…ここがね… いや、展開はいいんだけど、ちょっとゴーザがかぶり物というか、ゴーザスーツ着ただけの人感というか… 半身(いや半神か)を失っている状態とはいえ、顕現している神なので、もうちょい歩き方やエフェクトに気を遣ってもよかったのでは?という気分。ベタだけどゴーザが歩いた場所の周囲は植物が休息に枯れたり腐ったりする(シシ神さまの逆)みたいな、ああ…歩いてきてるけどこれ『神』なんだ的なスゴみを出して欲しかった。
T-1000じゃないけど、動きだけでもう人間ではない感じは出して欲しかったね。これは贅沢な要求だとは思わない。
あとはまあお約束的な展開。わかっててもオリジナルメンバーが登場した時はグッときた。ゴーストのイゴンが出てきて共闘するシーンはもうエグエグ状態。信者でガチ勢だから、もちろん映像はCGだし、役者が演技してる時そこには何もいない訳だけど、知覚できないだけでその時イゴン、ハロルド・ライミスのゴーストがそこに居たんじゃないか まで妄想してガチ泣きするわけですよ(信者こわい)
プロトンビームをお縄みたいに扱うのは84年からだから何も言うまい。このラストバトルで立ち回りしているゴーザが本当に神の威厳なくてねえ…もうちょっと頑張って欲しかったな。 なんやかんやで膨大数の連鎖トラップ?が作動してゴーザを分割封印。
ゴーザはこの辺りまでくると割とどうでもよくて、それよかイゴンゴーストと関係者の話が重要。旧メンバーとの別れ、ママを抱擁。ここは泣いたわ…情緒ヤバかった。いやホントにね、実際ライミスが亡くなっていて、そのゴーストとの会話は実際のライミスとの会話でもあるわけですよ。そういうの考えるともう…(信者重すぎる)
で、大団円。続編の匂わせとして富豪になったウィンストンがECTO-1のレストアや事務所の再建を誓って終了。
…で! …ここで!! ここで!! ここで!!!!(くどい) ここでとうとうゴーストバスターズメインテーマが流れる!!!
完璧!もう完璧すぎる!! 最高のタイミングと演出。言うまでもなくダダ泣き。感極まった泣きってやつ。情緒メチャクチャ。最高であった。
役者について。さすがに疲れたのフィービーだけ。
フィービー役のマッケナ・グレイス。この子をこのビジュアルデザインで登場させた時点ですでに3割勝ってた(何の話) 野暮ったいっていう意見も当時少し見かけたけど自分的には最高オブ最高。イゴンが整ったインテリ顔なので、その系譜を見事に引き継いだ(感じがする)品のいい知的な美形。
しかしマッケナ・グレイスさん、ハリウッド女優にしては本当に小柄で幼い。安達祐実感とでも言えばいいのか。すごい美形ではあるんだけど、なかなか万能にどんな女性でも演じられるかというと、難しそうではある。とりあえず続編のフローズンサマーでフィービーが滅茶苦茶成長して前作の面影ないよ!みたいなことはなさそう。
ついでに観てきた直後のツイッター感想も。
メッッッッッッチャ良かった!良かった!良かった!(3回)
正しく正統続編。あの1984年から37年後の物語(劇中年代はアメリカ公開時2021年)
前作何も知らない人が観ても十分面白い一級のエンタメとして完成されてる。
ゴーストバスターズ(1984)が好きな人は言うまでもなく面白さ倍増。そしてさらに、監督が1984版を撮ったアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン。これだけでもくるものがあるのに、眼鏡のイゴンを演じたハロルド・ライミスは主要メンバーの中で唯一すでに故人。その彼をCGでゴーストとして出演させた展開。思い入れがありすぎてガチ泣きしました。現実と作劇とのオーバーラップ。メタな状況はずるい。重さが違う。
余談だけどイゴン・スペングラー。昔はイーゴンで表記されてた時期や媒体があったんですよ(当時の映画雑誌スクリーンでは絶対イーゴンだったはず。ずっとイーゴンで慣れてきたから違和感あるけどイゴンが正しいらしいので以後イゴンで)
2016年版リブートがシリーズからハブられてる事に憤慨してる人もちらほら見かけた。2016年版が好きなら無理もないと思うが、2016年版は1984年もないことになってる別バースの出来事なんで、マルチバース展開でも発生しない限り『関係ない』のは当然だと思う。
ああ…しかし良かった。本当に良かった。夢のようなセンスの塊の作品だった。
いやあ…語った。アフターライフ。満足。
■ドント・ブリーズ2
1で
若者強盗に押し入られる盲目老人(被害者)から実は殺人マシンで若者強盗を殺戮(ヒーローおよび怪物)になり、実は若い女性誘拐してて冷凍精子で妊娠を目論む激ヤバ強姦者(激怖怪物およびサイコもの恐怖存在)
というジェットコースターのようなポジションチェンジしてたお馴染みのあの老人が、いつの間にか子供を助けるヒーローポジションになってる映画。
これ、これが1だったりして独立した1作なら普通に面白く評価できるんだけど『あの』1の『あの』盲目ジジイだからなあ…どうしてもこの展開がしっくり入ってこない。映画としては面白い部類なんだけどね…水面波紋ソナーとか盲目者の戦い方としてかなり面白いアイデアで感服した。
■ ムーンフォール
日常生活ではマジで5秒前のことすぐ忘れたりして、日常的にジェイル・ハウス・ロックからスタンド攻撃受けてるようなアレな人なんだけど、映画に関してはチョイチョイは記憶して方だと思ってたんだけど…
ムーンフォール、観たはずなんだけどほぼほぼビタイチ内容を覚えていないんだよね…。つまらなかった訳ではないんだけど…エメリッヒディザスターは観てる時はそれなりに楽しいが、後に何も残らないんだよな…2012とか…
■ るろうに剣心 京都大火編
なぜ今更?という感じの作品だが、観てなかったんよね…志々雄真実のやつ。よく出来てて大変に面白いが、特にこれの後半のやつを観る気もなく…(ホントに面白かったんか) まあそのうちまたTVか何かでやるでしょ(なげやり)
■ ブレット・トレイン
個人的には大ヒットとまではいかなかったけど死亡ゴアがエグいブラックなコメディは大好物なので十分楽しめた。監督はデッドプール2のデヴィッド・リーチ。納得。
ただ伊坂幸太郎の話にしては、後半の怒涛の伏線回収、点の出来事が線として繋がっていく展開が単純すぎて快感に欠けた感もあった。正直それを期待してたので肩透かし。
仕掛け人であるホワイトデスも崩れた予定を把握しておらず、プリンスもちょいちょい雑で流されてるだけ感もあり、一見無茶苦茶にみえて…実際にほぼいきあたりばったり無茶苦茶だったという展開。それはそれで面白いんだけど、自分の中に勝手に持ってた伊坂幸太郎脚本(というか原作だけど)のイメージとは合わなかったのが残念。
プリンスがホラーでお馴染みの唐突車轢かれされた時はマジかよ…はああ…と思ったけど、強引とはいえちゃんとレモンが追い付いて轢殺というカタルシス解放の話に持って行ってたのでここは良しとする。
所詮笑ってなんぼのコメディなので、ミカンも死なない話でもよかったなと思ってる。
いや俺カーバーの代理でカーバーじゃないんですけどのとこは面白かった。
個人的にはラスト付近でカーバーがヘラヘラしながら出てきてブラピの巻き込まれ悪運で死ぬかとんでもない重傷負って欲しかった(カーバーはライアンレイノルズなので本人的にもその方がおいしいはず)そしたら関係者全員清算できてすっきり出来た。カーバー1番責任重いポジションなのに話のカヤの外なんだよね。もったいない。
黒幕に近い重要なポジションと思わせつつ、普通に仕事してただけのレディバグの代理人マリア。映画的にはサンドラブロックが出てきてインパクト出す的な演出してて、それはそれで成功してたけど、脚本的には紛らわしいだけでなんなん…というモヤモヤキャラでもあった。
話のテンポ的には現行のあれでアリと前置きしつつ、ホーネットから血清を奪うシチュが安直すぎるなと。数秒のにらみ合いから壮絶な苦悶のリアクションで崩れ折れるレディバグ、即座に胸から血清取り出すホーネット。レディバグ、スン!って立ち直って「…27、28」 でほんの一瞬面食らったホーネットから映画通りの早業で血清奪取ほぼ同時に自分刺し てな流れだとレディバグのトリックスター的なキャラが立つと思うんだがなあ。
あ、でもこれやると毒効果初発動30秒前のレディバグの演技だってわからずに、なんでブラピに毒が効かないのか意味不明とか言う人が出てきそうだから避けたんかな。
ホーネットの最後、悪あがき描写なんだろうけど水飲んだり移動しようとしたりして結局普通に死ぬので、無駄な演出&数秒の尺ではと思ってる。
ウルフの写真をなかなか見ないのは、ウルフの写真にはレディバグが写ってると思わせるミスリードだよね?鉢合わせになった瞬間襲ってきたから、標的だったと観客に誤解させる。
でもウルフの写真に写ってたのはホーネット。 ん? ではなんでウルフはレディバグを即座に襲った?映画観終わったあとでの疑問。これボケッと観てて大事なとこ見逃したのかもしれないけど、最初にウルフのスーツを汚したウエイターは顔が映らず、どこかでもう一回別視点回想入ってそのウエイターがレディバグの顔だったってのをウルフが記憶している描写入ってた?
そうだとすると突然襲い掛かったのは合点がいくんだよね。怨敵ホーネットの暗殺、おそらくグルだったであろうウエイター、そのウエイターが目の前に居たらあのリアクションは納得できる。
普通に考えてそうだろな…目が節穴だから大事なシーン見逃したんだろな…
トンチキ日本&クレイジー新幹線にご立腹な人もちらほら見かけたけど、真面目に日本描こうとしてる作品ならともかく、これおちゃらけバカ映画(揶揄じゃなくジャンルとして)ですよ って極端にトンチキに描くことで表現してると思うので、笑いとしてツッコむならいざ知らず怒るのはちょっと違うんじゃないかな…と思ったり。
日本人や日本はこんなんだぞ!って茶化す意味で作ってるウエイトよりも、アメリカ人ですら いやいくら日本でもこれはないだろww って笑いが出るように作ってる意図を感じる。ただ どこにあるんだその富士山 状態だったけど、素でああだと思ってそう。
噛まれたけど血清打ってすぐだから大丈夫 をやるためだけに毒蛇にあんだけ尺使ったんかなあ…チェーホフの銃的な考え方だと、あの銃(蛇)は撃ってない気がする。
どこかで毒蛇のこと知ってる奴の前でレディバグが噛まれて、 終わりだ、30秒で血を吹き出して死ぬ って敵がひきながら見てて、レディバグがおおげさな苦悶の演技(本日2回目)して30秒後にうつ伏せに倒れて動かなくなり…からのシレッと蛇放り投げ相手噛まれる
てなのでもありかも。とにかく蛇は正直フラストレーション溜まった。
レモンが自殺まがいの根性や自己犠牲みせるより、俺に任せろ 楽勝だろ? からの敵に足つかまれて同時落ちくらいの方が作品に合ってる気がする。
さんざん文句書いたけど、楽しめたことの裏返しでもある。漆黒のスネークアイズでやったやつ。
麻倉未稀のヒーローはようわからん。個人的には盛大にスベってた。
■ 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ
既存作品アニメの劇場版では定型文だけど、ファンは楽しめる劇場版。それ以上でも以下でもなし。普通に面白い。
■ RRR
かなり初期に観に行ったので、後にまさかあんな大大大ヒット作になるとは思わなかった。現時点で最強のインド映画。
やはり特筆すべきはナートゥ。もはや映画史の1ピースとして残ると思う。
ラーマが秘密を隠してた頃のアニキ感が好き。やっぱラーマのアニキはスゲーや!感がたまらない。
後半のもう何かディーヴァ神話の神が憑依したみたいなモードの時は いんだよ細けぇことは モードなのでまあいいや。
ヒロイン?のイギリス女。ちょっとサイコパスみがある。いくらインド側ついてるいってもさあ…ちょっと…。
バーフバリを演じたプラバースが出てたサーホーはトンチキで面白かったけど正統な面白さではイマイチ。バーフバリがよかったのはやはり監督の手腕。ラージャマウリ監督の次回作が楽しみ。これだけ大ヒットしたから撮ったらまた日本でも上映してくれるでしょう。
■ すずめの戸締まり
初動時に「星を追う子ども」の再来だみたいな実質悪評をネットで見かけたので身構えていたが杞憂だった。普通に良かった。
すずめ
冒頭で立ち入り禁止のA型バリケードを躊躇なくダッシュジャンプで飛び越えた辺りで、すずめは陸上部なのか?と疑問がわいた。急いでいるとはいえ普通の女子高生はホイホイあの高さをジャンプクリアしない。その問いの答えは最後まで出なかったが、裏設定的なものでそうなっているのではと思っている。
陸上部でなかったとしても、住んでいる家が坂上で、登校時こそ快適だが帰路はかなりの苦行のはず(降りて押すとかせずチャリ漕いで坂上がってたし)それを日常的にこなしている関係で健脚なのだろう。
すずめ陸上部疑惑が高まったのは後の展開で、みかんカブJK 千果と会った時。両者がそういう性格だといえばそれまでなんだが、会って少し話してタメ年とわかるやほぼ初対面の人を呼び捨てにし、意気投合したとはいえ数時間でガチ親友レベルになったのを見た時。
あまりのコミュ強者っぷりに陰キャとしては恐怖すら覚えた。
ここですずめ陸上部疑惑は確信に変わる。タメとわかるや一気にマブダチ。いんだよ細けぇことは的な雑さと強さ。合宿ライクにどこでもお世話にナリマース!!良くも悪くも体育会系にありがちな傾向だ。すずめは陽キャの陸上部の体育会系だ。そうでなければあのムーブに説明がつかない(※偏った個人的意見です)
コミュ弱者で陰キャとしては、あそこはどちらか(まあすずめとする)が「あたしチカ」的自己紹介に「チカさん」で返して、チカ側から「いいよチカで。タメ年じゃん」的な返しがあった後で、「…じゃあ。チカ」となればその後チカでも納得だし、なんなら親友ムーブも納得できるんですよ。
初手で「あたしチカ」「チカ、このあたりに廃墟ないかな」 逡巡一切なし。自分と世界が違う…と気になったシーン。
(※文句ではない)
草太さん
漫画チックレベルのスーパーイケメンでビビる。神秘性のあるご家業なので(しかも祝詞っぽいから神職的要素をお持ちか?)アリなのかもしれんが、そのロングヘアは狙いすぎでは?しかし家業に対する責任感と行動の常識人っぷりから、オシャンティな自分に酔ってこの髪型であるとは考えにくい。神職的な意味で(よくわからんけど)ある程度髪が長い方がよい的なことがあるからそうしてる。あと忙しいので散髪が面倒 という理由なのではと勝手に推察。イケメンポイントさらに上昇。
声当てたの松村北斗さんという人物は知らなかったんだけど、SixTONESのお人なのね。ちゃんと選んでいるからだと思うけど、最近の芸能人起用は声優として特に問題のないケースが大部分になってきたと思う(もちろん oh…案件もある)ご本人もトップアイドルだからルックス長者だけど、声優として素晴らしいイケメン声(いわゆるイケボではなくイケメン声)でとてもよかった。
普通の環境で育った常識人の大人になったハクさまという感じがした。常識人ハウル感もある。囚われて解放を待つ身にされるのでお姫様ポジションでもある。イケメンすぎて人間状態で2人のロードムービーにしたらなんというか話が成り立たないので、かなりの力技でイスにされてた感ある。結果としてとてもいいのでこの力技はアリ。
ダイジン
リアクション紛らわしいにもほどがある。結果的に開いちゃう後ろ戸に誘導して助けてた訳だけど、なぜ(人がいっぱい死ぬよ)ニヤァアア なぜ邪悪笑みを浮かべる。ミスリードが強引すぎへんか。その辺りで引っかかって良いキャラとは思えない。なんか波動的(?)もの出してたんか知らないけど言葉発しないのにSNSの皆さまが共通で ダイジン 呼びもさすがにちょっと… ダイジンの目的がすずめ達の誘導なら、後半の直接近距離出現はともかくSNS誘導は狙ってやるのは難し…いや神様だしな。明らかにバズ狙いのあざといリアクションとってたから、ふつう探すならツイッターでサーチかけるっしょ 的なリアルタイム常識をお持ちなのかも。
サダイジン
今回一番意味不明キャラ。後半ではビッグ神獣猫になって画面をダイナミックに彩ってたけど、なぜ出現時に環叔母さんの背後でシャドウ&邪悪内心吐露という超悪役ムーブかました?あれ何?200%悪役リアクションなんですけど?白も黒もそろいもそろってなんで邪悪ムーブすんの。納得できる理由が自分にはわからなくて非常にストレス。この2キャラの謎演出で相当映画評価下げてる。惜しい。
環叔母さんがドギつい本音放つシーンはもらい泣き必至の感情揺さぶりエグシーンなので絶対に無くしてほしくないけど、だからと言って味方神性存在に意味不明ムーブさせる展開は絶対によくない。こんな無理させるなら説明的になってもいいから、序盤で草太さんにミミズが活性化すると人心が負の方向にゆがむことがあるとか、神性存在は負の波動も帯びてるとか、負の波動引き付けてしまうとか、なんでもいいので何か理由つけてほしかった。
それか自分が見逃したか理解してないだけで、合理的説明あったりして。
想像以上にダイレクトに東日本大震災がモチーフだった。
現実の、しかも未曽有の大災害をエンタメに使用しているという事に噛みついてる意見を多数見かけた。揶揄してる訳でもなし、別に問題はないと自分は思う。
一番の泣かせポイントだと思う幼少すずめの半狂乱ママどこシーンは自分にもぶっ刺さった。ぶっちゃけあそこは泣けた。同時に特に被災したわけでもない自分がこれだけ感情揺さぶられるんだから、東北の方で、現実に似たような境遇の方がこのシーンを観てしまったら、一体どれほどの感情の揺さぶりがくるのだろうと思うとさらに泣けてくるというか、またもや恐怖すら覚えた。普通に鑑賞していられないほどの事態になってしまう人も出てくるのではないかと。人によっては揺さぶられすぎて負の感情に向かう人が出てくるのかもしれない。現実の激しい出来事をモチーフにすると、作品に力を与える反面、そういう問題が発生するリスクも出てくるのではと思ったり。
芹澤くん
神木くんはやはり巧いなと。ポジション的にもうまみだらけの非常に重要かつ気持ちのいいグッドキャラ。ただ80年代懐メロ好き設定は微妙。キャライメージともそんなにマッチしているとは思えない(それか昨今のチャラい若い人層で80年代ポップスが流行ってるとか?いやないでしょ)
あの設定や演出は他の人的にはどういう評価なんだろう?自分的にはなんか微妙に滑ってる感で、特に歌うたわせんでもトークだけでもよかったんでは?と思う。ルージュの伝言に関しての魔女宅メタなセリフはよかった。
主人公たちが関わってる超常現象世界を、強引同行者(環叔母さん・芹澤くん)が最低限とはいえ体験してくれてよかった。ストーリー上そうするのが正解とわかってても、天気の子は主人公たち以外が一切超常世界を認識しないからストレス溜まってた。猫が喋る。突然すずめが扉で消える を認識してくれたのは気持ちよかった。
前2作品の(ほぼ)同世代ティーンズのボーイミーツガールもの(超王道)に比べると、草太さんが年上(かつ常識人大人)で夢の王子様ポジション(カエル…じゃなくてイスになってることも含めて)なのでラバーズ展開が特殊で、ラブスキー層には受けが鈍いかもしれない。そこらへんで興行収益に影響が出そう。
後ろ戸閉めを天気の子の天気依頼シーンのダイジェスト演出みたいなので(歌入れつつ)もうちょい増やしてもらってもよかったかも。共同作業を重ねる=後の強い恋情の説得力に繋がると思うので。後ろ戸がベタなドアだけじゃなくて様々な扉ってのは素晴らしい設定。廃車のボンネット、捨てられてる洋服ダンスの扉とか、多様性のあるザコっぽい後ろ戸でダイジェストが理想。
うだうだ書いたが結論として想像以上に面白かった。
■ ブラックアダム
うーん…まとまってて悪くないんだけどドウェインジョンソンは電撃移動砲台であんま動かないし、シャザムがデザイン含めてピンときてない人だから、そのライバルヴィランの本キャラもデザインや世界観がやはりピンとこなかった。ブロスナンのドクターフェイトは良かった
マンオブスティール2とブラックアダム2の中止は英断。アクアマン次作で終了もいいタイミング。ただワンダーウーマン1984は好みの路線ではないものの十分面白かったし数字(興収)も取れたのに、あえてそのドル箱捨てちゃうのか。ガンが想定してるDC世界とパティ監督の相性はあまりよくなさそう。
興行収益ガタガタらしいけどまあ無理もない。肝心のブラックアダムがロックの肉体をアピールできるようなキャラじゃなかった感ある。ドクターフェイトの方が魅力的だったな。ストレンジ的有能魔法使いキャラだから見栄えするのは当然なんだけど。
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全40本
2021年に観た作品
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■ Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆
いわゆるリゼロの本編では語られていないサイドストーリー映像化作品。
原作未読なので、エミリアの生い立ちがわかって良き というファン用作品。これ1本で完成されてる1つの物語 というタイプの作品ではないため、ますますファン用。
■ 事故物件 恐い間取り
邦画ホラーで22億円も興行収益を稼いだ大ヒット作。監督は「リング」「女優霊」などで有名な中田秀夫。だが内容は残念ながらかなり平凡。とてもじゃないが22億稼ぐに値する作品とは思えない(辛辣) 思うに、事故物件という恐怖ネタは非常に生々しく、身近で、世の中に恐怖話としていろいろなパターンが多数存在している。実際かなり怖い話をネットでチラホラみかけたこともある。
そういった事から事故物件というホラー映画は、シャレにならないくらい怖いのでは?という謎の期待が生まれて、このような大ヒットとなったのではなかろうか。自分が新作なのにレンタルしたのもそういった期待からだった。
しかし実際は肩透かしもいいとこ。お世辞にもホラー映画としての完成度は高いとはいえない。世の中で見聞きする事故物件恐怖話は、人の伝聞という興味フィルターを通過した(つまり面白い=怖い)話だけが世に広く伝わるため、そういった野の傑作と、事故物件に住んでみました芸人の面白ルポを原作とするホラー映画を比べること自体、無茶な話なのかもしれない。
ぼくのかんがえたさいきょうの事故物件ものホラーは…事故物件に絡まざるを得ない不動産屋、保険会社社員、特殊清掃業者、警察などの短編的オムニバスストーリー。基本的に救いはない。後味悪い。謎は解明されない。人が死なない話もあるが不気味な結末。胸糞業者が下手にイキッて事故物件の闇に関わってしまい無残な死を遂げる痛快話アリ。空き巣が物取りに入った部屋は事故物件でその恐怖を語った空き巣は留置所で自殺(しかし本人実行不可能に近い奇妙な自殺)
■ 涼宮ハルヒの消失
実は涼宮ハルヒをちゃんと見たことがない。それぞれのキャラは知っているがとにかくTV放映版を1話を見たことがない。そういう人なので、それぞれのキャラに思い入れあって、当然今までの作品を履修済み という人向けに作られてるこの作品。自分には合わなかった(当たり前)
本人以外知覚できない世界改変もの という視点ではそれなりに楽しめた。
■ シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
もはや説明不要。大団円といっていい結末だったと思う。今は乗り越えたが、劇場で観てから一週間後くらいの、エヴァは終わった、終わってしまった という喪失感が想像以上で自分にビビった。
■ ゲド戦記
アマプラで観た。実は最初から最後までちゃんと観たのは初めて(TV放映は2回観たがどちらもタイミングが悪くて中間からだったり最初の方だけ みたいな感じだった)問題がないわけではないが、改めて観ると世の中で言われるほど悪い作品ではない。映像クオリティをさっぴいたらハウルの動く城よりこっちの方が面白いと思う。
ただテルーの正体を最初から知ってた上で観る という条件なので、初見でいきなりテルーは竜でした であの展開だと、ポカーンが強くて不快になってしまったと思う。
■ モンスターハンター
世の中の評判は悪い方。興行収益も製作費回収出来たか出来ないかレベルの、ぶっちゃけ爆死失敗作品。
だが自分はメチャ面白かった。かなり好き。モンハンをやったことがないというのが大きくプラスに作用してると思う。やりこんでたら細かいとこが気になってイラついてたはず。
序盤の米軍部隊がホラーレベルのエグい死に方するのがとても良い。モンハン世界の怪物は本当に怖い。トニー・ジャーが英語上手くないからああいう展開になったのだと思うが、会話なしで成立するバディはなかなか面白かった。
後半、モンハン世界の怪物が現代に召喚されてしまう展開。ダンバインスキーとしてはたまらんものがある。現代兵器と竜の戦いは「サラマンダー」以降拝めてなかったので、ありがてえありがてえ思いながら堪能した。失敗作扱いなのは本当に残念。
■ 透明人間(2020)
透明人間映画いうとバーホーベンが撮った「インビジブル」の印象が強い。そのうえでこの透明人間(2020)(めんどくさいので以降透明人間) インビジブルとは違った切り口で大変に面白い。「そこ」にいるのか、いないのか 本当にわからないような演出が多い。敵が透明だとわかっている主人公サイドの主観。もしかしたら「そこ」にいるかもしれない という思いで何もない空間を見据える。透明人間側の主観はそういうシーンではあまり出てこない。透明人間という存在の不気味さが見事に演出されてて面白かった。
生物的な不思議作用とかではなく、全方位撮影および全方位映像出力というハイテクスーツで透明化する辺りも差別化できててグッド。シナリオは妙にこねくってて好みが分かれそう。
■ ジャスティス・リーグ スナイダーカット
作品時間4時間30分。実に見ごたえがあった。数字が凄いけど実際のところTVドラマシリーズ一気見みたいな感じで、滅茶苦茶長いという印象はなかった。基本的には劇場公開されたジョス・ウェドン版ジャスティス・リーグと同じなのだが、要所要所で結構違う。
最初のうちはメンバーが集合するまでの各メンバー描写がやたら丁寧 くらいだったけど、中盤から大きく変化し始める。ラスボスだったステッペンウルフが全カット描き直されてる(CGキャラなので描き直しと表現)メタルなスケイルメイルというか鱗表現になって手の込んだキャラになってた。そしてとうとう真のラスボスとでもう言うべきダークサイドが登場!この時の自分のテンションアップやばかった。ダークサイドの描写も素晴らしい。貫禄ならサノスに負けてない。
ジョス版のステッペンウルフはシューティングゲームの中ボス みたいな辛辣表現だったけど、今作のステッペンウルフは素晴らしいキャラになってた。結局リーグメンバーに負けて死ぬんだけど、散り際も見事でジョス版とは比べ物にならない。当然ゴージャスに尺とれたから というのはあるけど、それ以上の演出・脚本センスがないとこうはならない。ザック監督やはりスゴイ。
ジョス監督の人間性は最悪として、ジョス版はジョス版で評価できるところはあると思う。ジョス版にしかなかった軽口パート(アクアマンがヘスティアの縄でダイアナにデレるとことか)はベタだけど嫌いじゃない。
ザック版はゴージャスで完璧だけど、ジョス版と同じ尺でまとめろと言われたらザック監督にできたかどうか。ジャスティスリーグみたいな特濃コンテンツを2時間ちょいで消費しようって方が間違ってるんだけど(単純比較できないけどアベンジャーズなんかどれだけ時間使ったよいう話)それを何とかしたジョスの手腕は見事だと思う。でも手腕はさておき人間性最悪な話しか聞かないのであまり今後好きなコンテンツでは名前聞きたくない。何か別の枠で頑張ってくれ。
コンテンツ内容は4時間30分だけど、実は30分はキャストインタビューなので映画本編は実質4時間。
■ EVANGELION:3.0+1.01
これを1本に数えるのはちとインチキだけど劇場に行ってお布施(このころは100億いくか不透明だったので応援で行った)のつもりで鑑賞。後にアマプラで観れるようになってから少なくとも3回は観た(派手パートだけなら10数回) つまりそれぐらい何度観ても十分面白いので、ここで劇場で観ても十二分に元はとれた。
■ 甲鉄城のカバネリ 海門決戦
カバネリは面白いはずなのにいろいろもったいない展開が多くて、トータルでは残念作品という印象だったけど(特に終盤の尺足らずのグダグダ)この海門決戦は1本の映画として綺麗にまとまっていて、とても面白かった。そう、本来ちゃんとまとめれば十分面白いんだよ。人気的に可能なのか怪しいがコレがよかったのであと1本ぐらい頑張ってカバネリ作って欲しい。
■ シドニアの騎士 あいつむぐほし
神作品だったTV版シドニアの騎士の完結編。漫画の内容全てを映像化できたわけではないが、本筋は追えたのでもう十二分に映像化できたと言っていいと思う。ポリゴンピクチュアズのシドニアはTVの最初からこの映画版の最後までほぼ完璧だった(ほぼ なのは諸事情あるみたいだけどあやはり主題歌はangelaでやって欲しかったのと、最後恒星内で泡描写がどうもイマイチピンとこなかったことくらいか(泡正しいのかもしれないけどどうもね…)とにかくシドニア最高。原作通りだけどつむぎとのハッピーエンドで最高。
■ モータルコンバット(2020)
想像以上の傑作。もう何が凄いって、ガチでフェイタリティだったこと。クン・ラオの回転刃帽子で体真っ二つフェイタリティはゲーム映像まんまかよレベルのエグさを、短いけど映像でちゃんと流してて素晴らしいのひとこと。そうかと思うと冒頭の普通の荒野映像に寒色っぽいフィルター入れて「 魔 界 」のテロップ入れてここは魔界だと言い張るチープさも混在してて実にカオス。
真田広之へのリスペクトが圧倒的で、リップサービスやプロモーションではなく明確に尊敬していて嬉しい。モータルコンバットのテーマもアレンジしつつオリジナルに忠実で「モータォコンバー!!!」の声も(フィニッシュヒム!も)入ってて嬉しい。
日本では1億も行ってないみたいな話で憤慨している。公開時、自分のTLだと全人類鑑賞済みみたいな感じだったのに(TLの偏り)
■ 閃光のハサウェイ
モビルスーツうんぬんの前に画づくりというか人間のドラマ描写が凄すぎで洗練されまくり。MS市街戦の巻き込まれ描写はスピルバーグの宇宙戦争っぽい気がした。クスィーとペーネロペーの戦いはほぼ戦闘機同士の航空戦だった。総じて予想以上に面白かった。こりゃヒットするわ。
■ クワイエット・プレイス 破られた沈黙
個人的には微妙…。サービスで平穏世界の終わり=襲撃初日を見せてくれたのは嬉しいけど、現在の時間に戻ってからの脚本が雑。行き当たりばったりで拠点捨てて旅に出る必要ある?奴らに場所知られると音無くても常に襲撃でもされるんか?
姉はともかく弟の行動動機不明。傷に対して歩きが軽すぎ。なぜ歌にメッセージ隠す?色々もったいない
自分的には1に遠く及ばない残念な続編だけど、1より面白いって人も多数(というか大多数)いるのでまた例によって世間と嗜好がズレてるケースなんだろう。お約束映画演出にケチつけるのも野暮だけど、お気楽アクション映画ならともかく昨今の一応リアル寄り作品でボンベ撃って即ドカーンは萎えるよ…
調べたら医療用酸素ボンベは即座にそこそこ爆発する。不勉強でした(でも映画みたくガソリンみたいな爆炎はでない)
全年齢対象にしたいからか、怪物が襲って来る時あまり人体破壊しないんだよね、弾き飛ばすだけ。あれが恐怖鈍化の一因かな。ズタズタにされてクチャクチャ喰われたら恐怖倍増なのに。
■ トゥモロー・ウォー
クリス・プラット主演のアマプラオリジナルSFアクション映画。未来から未来人が現代にタイムジャンプで来て、エイリアンに侵略されてるので志願兵として助けに来てとお願いされる。タイムジャンプは適正ないとできないのでほぼ素人の一般人が行く理由になってて上手い設定。微妙に違うんだけど急に一般人がチーム組まされて銃器で怪物と戦う展開がガンツを彷彿とさせる。
未来からの干渉がターミネーター。一般人過酷市街戦がガンツと、どっかで見た感じの要素ありつつ、ヒドすぎない程度の引用でちゃんとオリジナルとして成立してる。
大繁殖群体もので女王を倒せば壊滅させられる理論はお約束なのでツッコむのは野暮。人類の存亡がかかった戦いなのに甘ったるいこと抜かす奴がチラホラいてちょっとイラつく。
人類基地エイリアン強襲による敗北で終わるかと思いきや、エイリアンの初襲来は爆発的増殖(未来)よりずっと昔(現在)なので、今探し出して女王倒せば負けた未来を変えられる という展開はアツかった。ここに至るまでにどうでもいいシーンと思われていた日常がすべてリンクしだす脚本は見事。
極寒の地で少ない装備と人員でエイリアンとの死闘。くどいほど引っ張るバトルだが演出が上手いのでダレることはない。ほぼステゴロで闘う展開はわりとお約束とはいえやはり燃える。
要素が多くてとっちらかってる印象はあるのだけど、うまいこと繋いでまとめてあり、要所要所で見事な伏線が活きている。総じて、傑作とまではいかないものの、間違いなく良作。かなり面白い部類のSFアクション映画。
■ ウォークラフト
デヴィッド・ボウイの息子さんにして映画監督のダンカン・ジョーンズ監督作品。同名のゲームの映画化。
で、肝心の映画だけど…ぶっちゃけつまんなかった(あらら) 原作?であるゲーム知ってたら違ったのかもしれないけど、少なくともゲーム知らないで観た人として、そう特別面白い映画とは思えなんだ。
でもこの作品、ゲームを原作とする映画で歴史上一番ヒットした作品なんだよね。この温度差。
世界的に超人気ゲーらしいんだけど、日本ではリーグ・オブ・レジェンと同じく、どうもイマイチ受けてないように思える。
CGは大作クオリティだし、おおむね面白い話のはずなんだけど…なぜこうもピンとこないのか。不思議。世界的に有名なのに日本では全然知名度がない作品 というカテゴリの(どんなカテゴリだ)の最有力かもしれん。
■ ゴジラ vs コング
元は5時間だそうで。削られたのは多分人間ドラマパートかと。はっきり言って大正解。観客が観たいのは主役同士の怪獣プロレスなんだからそれ以外は脇役でいいんですよ。脇に尺使わなくていい。ちゃんと主役2体が大暴れしまくるいい映画になってました。
2大スターのVS作品いうたら…あとはわかるな?な大正義のお約束展開(バトルして一進一退、共通の強敵出てきて共闘)で大満足。脚本がIQ3レベルって言われてたけど本当にそうだった。ゴジラのブレスで地殻貫通とか、書いた奴のシナリオ初稿が上がってきた時誰か止める人おらんかったん?スパイキッズレベルでおこさま仕様。
いんだよ細けえことは!言いたいこともいろいろあるけど、おそらくこれが最大公約数の最適解。良い映画です。
■ キャラクター
自分のわりと好きな邦画「帝一の國」を撮った「永井聡(ながい あきら)」監督作品。
評判通りの良作。劇伴が非常に良い。音楽がいいと高揚感が違う。気になる部分もあるけど脚本もグッド。殺人鬼役のセカオワFukaseは役者初挑戦とは思えない演技力。まさしく個人のキャラが立ってた。全般的に良センス。邦画も捨てたもんじゃない。
■ ホワット・ライズ・ビニース
タイトルは意訳すると「何が底に横たわっているのか」だそうで。まあぶっちゃけると秘密を誤魔化そうとしてる夫ノーマン(ハリソンフォード)が殺した不倫相手の女が、湖の底に横たわっている ということの暗喩タイトル。
原題を大事にするのは良いことだと思うけど、これ日本人にはわかりにくいので邦題つけても良かったのでは。「湖の底」とか(原題がネタバレ気味なので邦題もネタバレ気味で)
話としてはよくあるといったら失礼だけど、妻が怪異に翻弄されるけど実は怪異は妻に危険を知らせようとしていて、真に危険なのは生きている夫 というやつ。怪談でよくある。
ネタ的にはそんなに目立つものはないけど、普通に最後まで面白い辺りさすがゼメキスというほかない。自分はよくわからないのだが、ヒッチコックのサスペンス技法が多用されてるらしい。確かにハラハラした。
妻役のミシェル・ファイファーのビジュアルの良さもさることながら、あのハリソンフォードが殺人者の悪役っていうのは結構レアな気がする。
■ ハドソン川の奇跡
メチャクチャ面白い。監督はクリント・イーストウッド。イーストウッドなのに鬱じゃ(ry もうこのネタもベタになってきたな。結構鬱じゃない作品撮ってる。普通に監督として有能極まるわイーストウッド。
余談だけどイーストウッドって、日本語苗字を無理やり英語みたいなテイストあるよね。つまり東林栗人さん。
とにかく公聴会シーンが痛快無比。終始冷静で正論でブン殴りまくる機長トムハンクスと、ニヤりまくる副機長ジュードロウが最高。こういう映画も撮れるんだからイーストウッドは本当に凄い。
■ ブラック・ウィドウ
正直延期されたことで観る気が無くなってて、もういいかな…と思ってたけどスカヨハ姐さんのマーヴル作品への貢献度考えたら、ソロ作品に収益の華を咲かせてあげるべき とキモい謎の義務感でお布施感覚で観に行った。
うーん… ちょっと…(ごにょごにょ)
いやまあ、映画としては普通に楽しめるんだけど、今年観た映画って総じてクオリティが高くて、それと比較しちゃうとどうしても凡庸な作品だったなあ…という気がしてならない。
アクションは十分良いんだけど、話がどうしてもヌルいかな。スパイとしての疑似家族。疑似でも家族は家族。本当に大事だったし、これからも大事 というテーマはいいと思うんだけど、なぜか熱くなるものがなかった。もっと疑似家族の皆さんの、葛藤しながらも否定できない家族の絆をエモく描いてもよかったのでは? 言うは易しではあるんだけど。
いわゆるポリコレ的な話から、露骨にセクシー路線の紅一点的な女性キャラは時代に合わない的な話になって、セクシー的な話は感じさせないあっけらかんキャラのフローレンス・ピューが二代目ウィドウ的なポジションになるらしい。
あたしゃ古いベタな人間なんで、紅一点的セクシーヒロインでええやないの 娯楽なんやし と正直思ってしまうから、こういう流れになりつつあるのは残念。
■ ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
快作!スーパー!からガン監督にハマった自分としては、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーよりずっと、これぞジェームズ・ガン!という気がしてならない。
相変わらずスースクの面々は大部分滅茶苦茶善人なんだけど、イドリス・エルバ演じるブラッドスポートは元からそんなに悪人じゃないし、ラットキャッチャー2もポルカドットマンも能力が危険ってことで収容されてただけで元から悪人じゃない。ガッチリ悪人のピースメーカーは本当に悪で大変にグッド。キングシャークは善悪超越ポジション。
その中では、ハーレイ・クインは他人の命が実に軽い、外道ではないけど善人でもないポジションが絶妙。この作品、一貫した価値基準、子供に害を成す者は悪党以下の外道 というルールが明確に描かれてる。ハーレイはそこが絶対の地雷になってて実によいバランス。
特筆ものは前半の強襲上陸失敗パート。合体分離能力のT.D.K.が そらそうやろ の流れで泣き叫ぶ。こういうある種の残酷コメディこそガンの真骨頂という気がする。そしてとにかくウィーゼルはズルい。初登場といい、途中といい、最後といい、出てるシーンすべてが面白い。画面に映ってるだけで面白いとかズルすぎる。反則に近い面白さ。あのビジュアルで子供27人惨殺とか言われて黒い笑いになるけど、最後に死んでないところをみると多分殺戮は何かの誤解か勘違いの噂で、少なくともウィーゼルは子供を殺してはいないはず。「ルール」がある映画なので、それを本当に破ったキャラなら安寧はありえない。描かれてないけどこれはほぼ間違いないと思ってる。
そして「宇宙人東京に現る」のパイラ人をオマージュしまくりの宇宙怪獣スターロ。突然の怪獣映画。デルトロがヘルボーイ・ゴールデンアーミーやパシフィックリムで怪獣やりまくってたのがうらやましかったとしか思えない。
マヌケデザインなのに妙なリアリティと結構ガチめの怖さやキモさがある辺り、センスの塊。さすがガン。ポルカドットマンの能力はようわからんし、キャラとしてもよくわからんかったけど、ラットキャッチャー2、キングシャーク、ピースメーカーは本当にキャラ立ってた。
ウォラーの非道さもしっかり際立たせてるし、申し分のないのシナリオ。ちょっとハーレイに華持たせすぎな感もあるが、それこそあんなスーサイドまがいのネジ飛んだ攻撃繰り出せるのハーレイくらいしか説得力ないので、完璧な展開なのかも。しかしジャベリンは本当は一体何が言いたかったんだろう。
前のスースクは色々外野が茶々入れたり、ウィル・スミスがゴネたりとかで何だかな出来になってしまい興行収益低かったから、今回はもうガンの好きにしていい という話で、かなり自由にやらせてもらえたとか。素晴らしい。今後もそれでいこう。
■ 竜とそばかすの姫
脚本に関しては(特に後半については)言いたい事だらけだけど前評判でそういうものと了解してから観たのでよしとする。主人公が歌を歌う作品の、歌の部分だけが別録 というパターンは昔の映画ではよくあった気がするが昨今は本人歌唱が基本のように思える。
本作は主人公が圧倒的歌唱力の歌姫なのでウエイトが歌に置かれている。主役声優が本職声優ではない、役者でもない、シンガーソングライターなのだ。なので当然歌が凄い。いや実際本当に凄かった。歌の魅力だけで十分観劇料金の元とれた。
と同時に、個人的嗜好だが普通に「声優」としても十分魅力的だったと思う。声優としての経験の浅さが主人公の野暮ったさにリンクしてて良かったし、あまり女性声優として、いないタイプの声でとても新鮮だった。出来れば今後も声優でちょいちょい仕事して欲しい。
スーパーハカーのヒロちゃんは割と普通に声優っぽく…って思ってたら、えっ 幾田りら?!YOASOBIボーカルの人やん!わからんかった…出演してるって話は聞いてたけど、普通モブまでいかんでもサブかなって思うやん(ペギースー的な)ガチガチの主要キャラとは…声優初だよね?滅茶苦茶自然で凄いわ…
ラブコメ要素はベタだけどカヌーの大将のキャラが面白くてグッド。一方で忍くんは舞台装置レベルの思い入れのなさ。細田監督のクール系イケメンは何か意思を持つキャラ要素感じにくいんだよな…監督自体がそういうキャラにあまり興味を持っていないように思える。セリフやキャラ造形からそう感じる。
ベルだったり実質野獣だったりで美女と野獣オマージュ?は明確なんだけど、本作の内容でなぜ美女と野獣?という疑問が解消されない。城だったりダンスだったりで、結構無理くりに美女と野獣に寄せてるようにしか思えないけど、なぜそんなに頑張る必要が… とにかく憧れでやってみたかったんかなあ…
脚本の大筋はこれでいいとしても、細かいとこをいろいろ小細工するだけでもっともっと面白くなると思うんだけどなあ。作家性の強い監督としては受け入れにくいかもしれないけど、映像演出で十分非凡な才能を持っているのだから、脚本はある程度のリライト等でもっと外部の力に頼るべきだと思う。
要所要所でくどいほど悪意が出てくる脚本は好き。一部のヒネた否定の悪意と、圧倒的な数の一般人の肯定が現実だと思うので。
何やかんやで十二分に楽しめた。明確に劇場で観てよかった作品だった。
■ フリー・ガイ
良い良いとは聞いていたけど想像以上の良作。というかもう普通に傑作。フォートナイトをイメージしてるっぽい近未来世界が実に身近で良い。フォートナイトやApex、グランドセフトオートを少しでいいから知ってないとピンとこないかもしれない。
好みはあるかもしれないが、個人的にはこのテーマとこの方向性で行くと決めた作品として、欠点と思う箇所が見当たらないほぼ完璧な映画。
タイカ・ワイティティによく似てる…ってキャラが普通に本人だった。この方、監督業の傍ら役者たまにもやる ってレベル超えて役者でもバンバン仕事してるのね。
後半に出てくるボスキャラっぽいののパートが面白い。基本、無で鑑賞する人だけど久々に映画館で(…フグッ…)って笑って声が漏れた。たまらず爆笑してる人もいた。わかる。
(余談だがデッドプール2の「やつの母親の名前もマーサで」のとこは劇場で爆笑した。数人しか劇場にいなかったけどおそらくほぼ全員爆笑してた)
基本コメディだから楽しいし、なにげに深い良い話もしてるし、ぶっちゃけて言ってハッピーエンドだし。実に幸福な作品。観てよかった!
■ Fate/Grand Order -冠位時間神殿ソロモン-
バビロニアとキャメロットの前編は観た 程度のライトにもほどがあるニワカレベルだけど、シリーズもの最終作ということで観た。ラスボスにふさわしい強大さの敵、大集結する味方と総力戦。
エンドゲームでも適用されたド定番にして最強の大盛り上がりラストで満足。ゲームではあくまでゲーム的演出でしかないギミックが、大筋は同じでも映画ではテーマに沿った感動的シーンになってて、演出のうまさを感じる。
■ 孤狼の血
もっと道徳的にドロドロでエゲつない内容かと思ってたら割と王道展開。でも全編通して緊張感がありとても面白かった。邦画も気合入ってる奴はしっかりエンタメしてる。
役所広司は、まあホント何やらせて上手いというかそつがない。いい人オーラ出てるけど「渇き。」で見せたドン引きレベルのド外道もやれる。本作ではガチ外道なキャラではないので絶妙な調整して、絶妙な外道(?)になってる辺り本当に上手い。
ちょっとしか出ないけど死体描写が凄くリアルで刺激スパイスになってる。
■ 孤狼の血 LEVEL2
うーん、おおむねいいんだけど気になるマイナス要素が2つ。1つは西野七瀬。タレントとしては嫌いじゃないし、役どころによってはハマりそうだけど、本作の役には絶対向いてない。
演技力があればカバーできたかもしれないけど、残念ながらそうではないので浮きまくり。結構重要な役なのでドラマへの没入感を削ぎまくった。あと地味に吉田鋼太郎がイマイチ。名優だけど本作ではキャラが情けない役だということを考慮しても違和感のある演技だった。
もう1つはラストのパート。あれ、いる?必要だとしてあれだけ尺使う?解せぬとしかいいようがない。これが正直かなりのマイナス。
よかった点、悪役である上林を演じた鈴木亮平が凄いの一言。緊張感と存在感がダンチ。マイナス要素で凡作になりかけた本作を一気に良作まで引き戻した。
松坂桃李は良くも悪くも相変わらず。パッと見、やさぐれたけどやはりタフガイにはなれなくて1の時の繊細なキャラのまま。でも連続性があってこれでいい。突然タフガイ化してたら違和感だったかも。十二分に絵になる男。優男なので見事な悪のタフガイの上林(鈴木亮平)との対比が絵になる。
とにかく鈴木亮平が本作のMVPであることは間違いない。あと地味に広島県警の上司やってた滝藤賢一がキレのある演技でとてもよかった。いい仕事した役者の名前出すと緊張感のあるシーンが蘇ってきて最高だが、逆の方はつらい。頑張ってるのはわかるけど結果がね…
正直1の方が面白いんだけど、とにかく上林(鈴木亮平)が凄いので、それに救われて良作。あの人凄い役者だなあ…
■ エクストリーム・ジョブ
落ちこぼれ刑事たち、不自然じゃない張り込みしようと思ってチキン屋やったら大繁盛 というコメディ。確かに面白いが正直コメディ部分は笑いの感覚が噛み合わない部分もあり、個人的にはイマイチ感すらあった。だがこの映画、最後のアクションシーンでさんざん無能だった主人公たちが、実はこと格闘逮捕術にかけては超エリートの凄腕と明かされ大立ち回りを演じる。
これ、もうこれがこの作品の肝だと思う。
グダグダとコメディしながら、最後の大詰めではカタルシスを解放するスーパーアクションシーン… 何か既視感が…
「噂の刑事 トミーとマツ」だ!(えー) と脊髄反射で思ったが、つべでトミーとマツのOP&ED動画見て(特にOP)根本的なテイストは同じなんじゃないの と本気で思ったり。
https://www.youtube.com/watch?v=pucl5J7uHm8
エクストリーム・ジョブはとにかくテーマ曲がいい!この曲じゃなかったらカタルシス解放も大分出力が落ちる。
https://www.youtube.com/watch?v=XIpyoio8MlQ
微妙に新Mr.Boo!アヒルの警備保障のテイストも感じる。
https://youtu.be/ViJPIBagwUs?t=15
ぶっちゃけコメディとしては凡庸だと思ってるけど、神テーマ曲とそれに負けない後半カタルシス解放展開で一気に評価を上げた作品。
■ OLD
何だかんだでシャマラン映画って面白いんだよね…万人にオススメって作品ではないけど自分は面白かった。
この作品、どう見るか で評価が変わってきそう。
「SFスリラー」として見るといろいろ理屈が穴だらけでいやそうはならんやろ感強すぎて醒めてしまう。でもSFのない「スリラー」作品としてこまけぇ事ァいいんだよ精神で見ればいいところが際立つ。自分は後者。
一応異常現象にSFっぽい理屈がついてるんだけどツッコミが追い付かないガバガバ設定なので、ルーカスの宇宙で音鳴るのおかしい→俺の宇宙では鳴るんだよ理論を適用して、シャマラン世界ではあの理屈で問題ない「そうなる世界」なんだよ として観るべき。
無理にSF解釈するなら、劇中での解説では無理筋だけどそれは劇中での人々の理解が間違っていて、科学的とみせかけて実はもっと超自然的な現象 とすれば幾分か納得できる(気がする)
どんどん歳をとる恐怖っちゅうとジョジョのグレイトフルデッドっぽいけど、加齢の恐怖よか子供急成長の不気味さが際立ってた。急成長子供がいやそうはなら…いやいや、シャマラン宇宙ではなっとるやろがいなんだよ。なんだよ(自分に言い聞かせ)
いやホントツッコミどころだらけの作品なのでネタバレで各所ツッコむとそれはそれで面白い作品ではある。茶化し気味のツッコミはともかく、両親の高齢パートがやけに印象的。あそこがああいう雰囲気でなかったらこの作品、ただのバカ映画になってたかも。
もうちょい大人の加齢メイクは頑張るべきだと思ったけど、変に予算使って見る見るうちに加齢みたいなCGをやらなかったのは正しいと思う(後半のアレはわけわかんねえけどまあ良しとする)
傑作ではないと思うけど、シャマランにしか撮れない不思議な魅力のある作品だった。アニメ、ドンパチ、ヒーローものばっかり観てるんで、たまに違う枠の作品が劇場で観たかったってこともある。そういった自己満足も含めて満足。
■ ヴィジット
いや子供だいうてもおかしい思うやろ はよ逃げろや 何で平然と翌日朝会話しとんねん って感じの作品。シャマランがPOV撮るとこうなるかー みたいな。これ今やったら老人をバカにしてるとか、認知症老人や精神病患者への差別を増進させるとかで大問題やな。もうこういうの時代的に作れんでしょ。とにかく子供とはいえもう完全にヤバい感じなのに逃げないのが大変にイラつく作品。
ただラストで自称偉大なラッパーの弟がブチ切れて暴れるシーンは、そこに行くまでの溜めが凄いのでカタルシスが半端ない。おま…!何やってんだ…!動け!動けよ!何棒立ちしてんだよ!のとんでもないイラつきが全てカタルシスに変換されるの最高。
最後に本物のおじいさんおばあさんの死体が見つかるシーンで、恐怖で暴れるカメラに映る極悪ジジイ&ババアは怖い。一点集中の怖さがあっていい。
■ シャン・チー/テン・リングスの伝説
トータルで面白いとしたけど、ダメだと思ったところも多い凸凹な作品。こういうタイプの作品は賛否両論になりやすい。
まず悪いと思ったところ。後半ほぼ全部。
いろいろ理由はわかる。理解もする。とにかく中国で上映したい、中国で儲けたい。ぶっちゃけそのために中国人ヒーローをチョイスしてる。それ自体に問題はない。商業映画なんだから。
そのためには中国政府にケチつけられないようにしなければならない。なので徹底的に中国人は悪くない作品にしている。
ヴィランであるテン・リングスのボス、シュー・ウェンウー(トニーレオン)も魔界の魔物とやらに騙されただけで外道ではない。それどころか基本的に愛に生きた誠実なキャラとして描かれている。
ボスが悪じゃないので、他に悪が必要になる。そこでこの作品が選んだのは、魔界の魔物。 …はぁ… どう考えてもここで脱力するよね? これが原作の展開なら原作通りだからしょうがないと言えるけど映画用の唐突展開らしいし。とにかく中国推しにしなきゃいけない映画なので、サービスして正義の中華龍様がこれでもかと大活躍。ご丁寧に敵の悪は西洋ドラゴンをベースとしてエイリアンチックなキモさを追加。絵に描いたような(いやホントに)悪い奴をご用意して、それを正義の中華メンバーが皆で協力してやっつけるぞ!な展開。
もうあの魔界の魔物?だっけか?出てきた敵。もう悪役という人格すら持っていない。意思も存在しない。近年稀にみる舞台装置でしかない敵。デザインも適当としか思えない。そこいらのネトゲの適当なボスのデザイン。
んで、こいつと戦うシャン・チー。ドラゴンボールレベルのスーパーバトル。 …いやよう動かしてるし派手でいいんだけど、こういうのちょっともういいです…な気分にしかならなかった(これは個人差あるかも)
いやね、これもわかるんだよ。シャン・チー、基本的にいろいろ地味だから他のマーベルヒーローに見劣りしないように!とか、やはりマーベル見に来てる人はビカビカ光って空飛んでドーン!を見たがってるんだよ!言われたら確かにそうかもとも思う。
でも自分には全然響かなかった。
こんだけほぼ完璧に中華サービス中華配慮したのに、結局中国上映できないんだもんねえ。皮肉だわ。
いいと思ったところ。
メタクソに叩いてるけどトータルで「面白い」とした理由。
そりゃもうその辺りのダメさを上回る勢いで前半が素晴らしいから!
評判の良かったバス内バトルは本当に良かった!あそこはマーベル映画の良さとカンフー(というかジャッキー映画)の良さが最高の形でブレンドされてた。最後のZ戦士バトル見ても フーン くらいにしか感じないだろうけど、このバスバトルでは素直に「シャン・チーカッコイイ!」って思ったもの。
若くてフィジカルに優れているシム・リウ(シャン・チー)さんのキレキレのアクション。あんなにキレのあるアクロバットカンフーアクションは誇張抜きでジャッキー以来じゃなかろうか(ジェットやトニー・ジャーやイコ・ウワイスはこういうのとちょっと違う)カメラワークも素晴らしい。
何もビカビカ出して空飛んでドーン!ばっかりがヒーローじゃないんだよ。キャップが、キャプテンアメリカが空飛んで手からビーム出してドーンしてたら嬉しいか?そういうのない素手格闘して円盤投げしかしない奴だからカッコ悪いか?そこらへんを理解して今後の展開に活かして欲しい。
あ、バスはべた褒めだけど、ビルの足場シーンは割と普通だった。
上記理由でシュー・ウェンウーが悪に出来ないから、配役がトニー・レオンになったんじゃないかと思う。
トニー・レオン、全然悪人顔じゃないもの。憂いを秘めた凄い男 ってオーラ出まくりな人だから、今回の役にはピッタリ。吹き替え版で観たんだけど、この役は山路和弘さんが当ててた。これもわかる。
いや、予算ないからしょうがないんだけど、テン・リングス ショボいよね?
1000年前から生きてる男がボスで中国を支配している闇の組織のはずだけど、基地も人員も実にショボい。おまけにボスは優男顔ときた。
だからこそ、威厳と迫力のある声が必要だったんではないかと。いろんな点で設定負けしてるんで、せめて声だけでも と。氏の吹き替えはいろいろ見てるけど、結構上位レベルでドスを効かせてたように思う。
シャン・チーの声は細谷佳正さん。知ってるキャラとしてはゴールデンカムイの谷垣源次郎やられてる。シャン・チーは素朴好青年なんですごくハマってた。相棒のケイティはニケライ・ファラナーゼさん、あまり知らない人だけど女性声優にいないタイプの投げやりな声がキャラにはよく合ってた。吹き替えキャスティングは問題なし。
ケイティ、原作にいるのか知らないけど、映画での扱いはちょっと微妙。前半から中盤はいいんだけど、後半はちょっと…まあそら見せ場必要だよねとは思うけど、あそこであの角度でド素人で弓矢ねえ…と思っちゃうと醒めるなあ。
ケイティ、劇中で特に特殊能力について言及してたっけか。性格がアレで駐車係だからってだけでドライビングテクニックが凄いってのはちょっと無理筋な気がするな。
ゲームで覚えたから大丈夫!で押し切るゲーマーキャラとかにして欲しかったな。それならとんでもないスポーツカー乗り回しも説明つくし、弓矢もゲームでやったことある って流れからコツ覚えたら急に達人になればまだ少しは納得できたかも(ゲームでやっただけなのに現実に出来てしまうから、不安定だけど実は各方面に天才的な才能持ってる設定にして欲しい)
アイアンマン3のマンダリンがまさかの再登場。登場だけじゃなくて結構ストーリーに食い込んでくる重要キャラとか想像もつかんかった。モーリスは便利アイテム扱い&マスコットがいた方がウケるやろ打算なんかな。まんまとハマって両者とも嫌いじゃない。
とにかく後半のダレっぷりを上回る勢いでバスバトルが良かった。100点満点で5点の映画だけどこのシーンだけは瞬間的に2000点 みたいなグダグダ判定する人なので、凸凹してる作品だけどトータルでは面白かった。
あ、あと…最後が好き。きわめて個人的な嗜好で登場人物たちがアメリカンPOPSを楽しそうに歌うシーンが好きなので(エボリューションのPLAY THAT FUNKY MUSICとか陰謀のセオリーのCan't Take My Eyes Off Youとか)
それだけで大分加点してる。カラオケも大好きなのに最後に皆でホテカルとか最高すぎてニヤニヤが止まらなかった。幸せ気分で観終われた。
今後はビカビカドーンはなしで行ってもらいたいなあ。あとどうせ中国上映ダメなら、味のある中国人ヴィラン出してドラマチックなストーリーを展開して欲しい。
吹替だと中国語が全部字幕で、英語が日本語吹き替えなんだけど、その中国語凄く多いんだよね。セリフ全体の25%くらい中国語。TV放映する時もあの字幕で押し切るのかな。字幕読めない(慣れてない)キッズ的にはしんどそう。
でも昨今キッズはyoutubeのテロップで慣れてるから大丈夫か。
■ ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
想像以上の面白さ!クリス・エヴァンスが結構ダーティな役で出てて新鮮。吹替で見たけど当然のように中村悠一が当てててしっくりきた。監督・脚本がライアン・ジョンソン。マジか…最後のジェダイ絶許民としては信じられない。素晴らしい仕事でした。
良くできた名探偵ものはやはり面白い。007ノータイムトゥダイでやりすぎ露出ドレス着てたアナ・デ・アルマス。美形女優さんだけど、ハリウッドでは珍しめの、大人のオンナというよりかわいい娘さんテイストな方なので、本作の素朴な娘さん役はハマってた。
■ EXIT
各所で鉄板の面白さと評判だったけど、まったく誇張なし。文句なしに面白い。序盤が韓国特有の重い家族関係でモタつくけど毒ガス散布されてからは最後まで一気に駆け抜けるスピード感。1時間40分で大正解。こういう作品が作れる韓国映画界は凄い。
描きたい主題がはっきりしてるので、逃走途中に変に逃げ遅れて死んだ人とか描写しないのが素晴らしい。過酷ではあるけどウェットにせず、どこかスポーティでゲーム的ですらある。この手の映画にありがちな電話かけて長時間大泣きみたいなシーンがないのも好感度大。
何でそんなにクライミング凄いねん を回避すべくちゃんと色々納得設定されてるのも良い。危機連発の畳みかけ、クリア方法、それでも起こる危機。全て納得できて練りこまれてる。エンドロール映像でちょっとした不透明部分をサラッと丁寧解説してるのもグッド。隙が無い。
エンドロール映像がコミック風になるとこみると、漫画から影響受けてるのかな。監督はイ・サングンさん。43歳。若い!そして何とこのEXITが長編デビュー作!細かい気遣いや各所のセンスの良さ。ワンアイデアのワンヒット監督とは思えない。今後も面白い作品作ってくれそう。
■ 来る
監督は下妻物語で有名な中島哲也。トータルでは面白い作品なんだけど、とにかく冒頭から怪異が本格的に始まるまでが不快な映像だらけで、本気で辛い、本気で辛い(2回目) どのぐらい辛いって、もう途中で音声消して早送りしたくらい辛い。
そういう鬱屈を溜める演出のシーンだというのはわかっているのだけど、鬱屈ストレスが想像以上で耐えられない。田舎の傍若無人な親戚の集まり、イヤな連中のヘラヘラした集まり、結婚式。とにかく嫌な連中の嫌な日常でストレス溜めてくれ なシーンの負荷が 加減しろ莫迦! なキツさで、自分の中でのこの作品の評価を思いっきり下げてる。
あまりにつらいのでビュンビュン飛ばして、会社の後輩が怪異に遭遇して背中がバックリ切れて血まみれになるとこからようやく普通に観だした。ここからなら面白い。
吐血やら血しぶきやら、エグい表現でとてもいい。黒木華は演技上手い。被害者にみせかけて呪いをかけていた役とか、複雑な心情を表情だけでわからせるの凄い。
妻夫木聡も上手い。こういうサイコパス気味な役にはピッタリ。バニラスカイでさわやかセレブスマイルのトム・クルーズやキャメロン・ディアスがサイコ気味なのに似てる。さわやかグッドルックスの役者さんは、ド外道クズを笑顔でやらせるとギャップで凄いインパクト生み出せるんでお得。
後半の滅茶苦茶展開(国家レベル霊能力者(松たか子)、神道やら仏教やら密教やら宗派越えて総動員もケレンみがあって面白い。中盤から後半は素晴らしいのに。やはり最初がマイナスすぎる。もったいない。監督は相変わらず実力はあるお人だと思った。
■ インファナル・アフェア
トニーレオンが若い!ちょっと前にシャン・チーで歳を重ねた姿を見たばかりなのでギャップが凄い。吹替で観たのだが、併せて両作でトニーレオンの声を当ててる山路和弘も声が若い!青年声の山路ボイス。変な話だが新鮮。
まあ19年も前の作品やしな。でも携帯が古いこと以外、あまり見た目では古さを感じられない。
実際の諜報組織ほどガチガチじゃないからか、お互いの潜入者、結構フランクに組織の人間に会って情報伝えるのが意外だった。そこらへんは映画演出かな。
トニーレオンの上司 ウォン警視。どっかで見たことあるな…と思ったら、平本アキラの漫画「RaW HERO(ロウヒーロー)」での主人公の上司だわ!というかロウヒーロー、正義の組織に臨時で雇われた主人公が女装して悪の組織に潜入する話なので、ズバリインファのパロディなのか。
確認するために画像検索したら、似てる似てない以前にほぼまんまだった。
インファ https://stat.ameba.jp/user_images/20130221/23/beatifulmonster2/b2/d1/j/o0480020812429319272.jpg?caw=800
ロウヒーロー https://c.kodansha.net/manga/assets_c/2019/07/a269f4ccc40cfdac7fa816ada6b3d313908cb708-thumb-120xauto-4189.png
先にインファの方観ておけば、ロウヒーロー読んだ時にさらに笑えたんだろうな。パロディは知識がないと楽しめない高度なユーモアだわ。
インファ、ラストのあの展開をまったく予想してなかったので、あまりにもあっけないトニーレオンの死に衝撃を受けた。あのあっけなさは絶対演出だろうな。トニー主観の瞬時画面暗転が、時間差で精神に来て怖くなった。短いけどあれも素晴らしい演出。
後半盛り上がりつつも、正直ちょっとダレてきてたところで急にアレ。強烈に作品に引き戻された。小口径銃ヘッドショットで正面からだと外傷が少ないもの、意図的な演出なのかも。
各国でリメイクされるのも納得の良作。面白かった!
■ エビデンス 第6地区
低予算POV作品。アマプラにあってTLでちょっと話題になってたから見たが、どうも低予算系POVは自分に合わない傾向が強く、これもちいとも面白いと思えなんだ。軍の研究施設に迷い込んでバイオハザード的な?謎の実験体(ゾンビ?)みたいなのがそこかしこで暴れてる中、主人公たち(確かTV撮影クルー)が逃げ惑う話だったような…すでに記憶すら怪しい。
■ ザ・ファブル
アマプラで観た。想像以上に面白くて嬉しい誤算。コメディだけど結構殺しの描写がエグいのが良い。一般常識欠落の代償としてサヴァン的に殺戮技能が異常に高いファブル。殺し時の主観に出てくる殺傷優先順位、急所、時間、状況判断の文字と矢印のデータ表示演出大好き。
映画が面白かったんで原作も見た。原作滅茶苦茶面白い。一気に全部見てもうた。
プロとして言うと─── 映画と漫画の面白さは─── 別物───
あかんファブル風語り難しい 邦画の中ではよく出来てる方だと思います。
■ ジグソウ:ソウ・レガシー
もうソウシリーズはどういう流れになってるのかようわからん。まあジョン・クレイマー(ジグソウ)の遺志を継ぐもの的なやつで(細かいことはもう正直どうでもいい) 毎度おなじみのソウシリーズって感じ。
ソウシリーズの最後らへんのに比べれば、原点回帰がうまく出来てて、普通に楽しめた。最後のレーザー首輪は被害者化けしてた真の黒幕に当たった時点で熱を感じる(炭化切断)描写がなかったので、すぐ異常に気付いた。なかなかに面白い演出。
なんやかんや言って、丁寧に作れば、まだソウ系映像は面白いことが確認された感あるので、また新作作られそう。
■ 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
言いたい事はいろいろある映画なんだけど、カジノロワイヤルから始まる全5作のクレイグボンド物語の締めくくりと考えると、いんだよ細けえことは になってしまう。
シリーズの好きな順位はこうなった
1 カジノロワイヤル
2 ノー・タイム・トゥ・ダイ
3 スカイフォール
4 スペクター
5 慰めの報酬
ノー・タイム・トゥ・ダイはかなり好きな部類。トンデモとリアルのバランスがわりと良い(スペクターは後半のスットコ展開さえしっかりしてれば2位なのに)
敵であるサフィンを演じたラミ・マレック。キャラとしてはようわからんけど役者の存在感はあった。冒頭の能面コスプレとかやる人いそう。インパクト強い。実に好み。
しかし今回、どう考えても一番の巨悪はあいつで何となくスルーされてるのモヤる。おま…おまえなあ…!って見てて凄く憤った。最後はあいつと決着つけるのかと思ったくらい。 まあぶっちゃけMのことですが
例の00要員は凄く良かった。いいキャラだと思う。別ナンバーで準レギュラーにしてもいいくらい。
アナ・デ・アルマスはキャラが思ってたんと違って、途中は予想通りで、最後の展開がまた思ってたんと違って実に忙しくて面白かった。あの辺りのポップさが全体と調和しないのを良しとしない意見もみかけた。わからんでもない。自分はアリ派。
興行収益も好調なようで、ダニエル・クレイグも有終の美をかざれてなにより。お疲れ様でした。
■ 二ノ国
どういう作品か、すべて知ったうえで鑑賞。5分に1回ツッコミどころと言われるだけあって、なかなかの破壊力。わかったうえで観るそれ系映画は普通に楽しめた。
脚本家以外の作品に関わって実務した人達、作業をしながらどういう話かわかってしまって( うわあ… はぁ… )ってやるせない思いしながら作ったんだろうな。 ゲームはそこそこ面白いらしいので、ゲーム作る才能と映画作る才能は本当に別物なんだなと。
■ 空白
交通事故シーンが凄いとのことで、俗な興味で観たのだが実際エグかった。ゴアが、ということではない。視点や空気感といった何ともいえない生々しさ。実際ひどい事故の目撃ってこんな感じなんじゃなかろうか。
でも交通事故は始まりにすぎなかった。そこからほぼ地獄。基本的に地獄しかないこの映画。何でお金払ってこんな辛い思いをしてるのかと思えてくるほど、いろんな意味で辛い状況がひたすら続く地獄映画。
しかしほんの少しの救いはある。松坂桃李にも救いはあったが圧巻なのは古田新太の方。無理のない自然な展開であの感情を呼び起こす脚本は本当に凄い。
とにかく重苦しくて観てると地獄なつらい作品なんだけど、退屈などというものは1秒として存在してなかった。面白い! というタイプの映画ではないが、観てよかったという気しかない。素晴らしい作品だった。
■ キャッシュトラック
思ってたよりはエグくもダークでもない話だったが、クライムサスペンスとして安定した雰囲気と面白さがあり好感が持てる。だがステイサムがちょっと善人すぎる気がした。個人的にはもうちょい悪にふるべきだと思う。
要所要所でちょっと味付け変えるだけでヒーローアクションになっちゃいそうだけど、ギリギリでそうはなっておらず、乾いた復讐の物語としてちゃんと成立してる。ある意味昔の映画っぽい。バイオレンスはまずまずだけど、この内容ならもっとエグくても良かったのでは。拷問はグッド。
ベタベタだけど序盤のナメてた相手が実は殺人マシン展開は鉄板に爽快。面白かった。ラスト近くでいろいろ結局死んでしまう辺りは凄く乾いててよかった。ヒーローものなら死なないよなあれ。無常観があって作品が締まったと思う。
■ G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ
うーん…思ったほどでは…
いや、たぶん予告編が1番面白いタイプの映画だろうとは思ってたけど、まさかこれほどとは…という正直残念なクオリティ。映画自体は個人的にはつまらないといっていいレベルの出来だった。
しかし、ツッコミどころは多い上にそれが面白い。映画本来の正しい評価とはいえないのだが、ツッコミは面白くて楽しかったので、トータルで料金分は十分ペイするだけは楽しんだ。
冒頭から現在時間冒頭までが雑なのはまあいい。背面拘束のヒモを切るアクロバットもカッコイイ。最初の乱闘シーンは大味だけどいいとこはそこそこあった。
だがトラック運転席にマジックショーばりの刀ブスブスシーンで不安を感じ始める(のちに不安的中)
お馴染みの外国人の勘違い謎日本。これはコレ系映画ではお楽しみポイントなので存分に楽しんだ。
お馴染みの大げさな謎日本ヘンテコセットはあるにはあるが(裏路地やら謎風呂やら)
日本のどこかの実際の城・屋敷・太秦映画村を使ったトンチキハリウッド映画という妙な絵ヅラは
本作特有なのでこれも楽しめた。
しかし本当にアメ人は怪物がいる穴にキャラ落として戦わせるのが好きなんやね。
イコ・ウワイスはカメオ出演レベル。レイド級とはいわないがもうちょい動いて欲しかった。
トミー、次期当主が潜入捜査とか体張りすぎちゃうん?バレて普通に死ぬとこだったし
スネークアイズ、…うわあ…クズッ…クズいわ… おまっ お前なあ…!ってタイプの憤慨するキャラ。
シレッと嘘つきマン。とことん感情移入できない。いやホント…おま… お前さあ…ホント…
後半のセリフ 「全て俺のせいだ」 を聞いた瞬間
ほんと!ほんとそうだよホント! お 前 の せ い だ よ ! って叫びたいくらいそう思った。
俺のせいだ…ってセリフで一部の隙も迷いもなく 本当に!そうだよ!全部!お前のせいだよ!って全力で思ったの初めて
お前しかも特にたいした修行もせず、落第っぽいショボムーブしかしてないのに何で実力者扱いになってるん?
いくら地下闘技場で戦闘経験あるいうても、マグロのハラワタ抜いて密輸拳銃詰め込むお魚ボーイ雑用マンからそう変わってないはずだろ。なんでこんな急にニンジャアクション能力に目覚めてんだよ。天才か?天才なのか?
トミーこと嵐影富三郎。のちのストームシャドウ。
同情はするけどお前もたいがいやで…恩を仇で返す自分勝手クソ野郎スネークアイズの最大の被害者であると同時に、そうなるようお膳立てしてしまったセルフ加害者でもあるので、自業自得。
しかしキレて当然。ひたすら不憫。そりゃスネークアイズ絶対殺すマンになるわ。
警備主任くのいちアキコ
あんまり同情はしないうえに、お前もたいがいやで…な人。一応命の恩人のトミーはともかく、何であんたそんなにスネークアイズに肩入れするん?大蛇試練乱入はいかんでしょ。最初にスネークアイズのジャブ喰らうのはまあ許すとして、私も学習しなきゃいうてまたジャブ喰らってて、お前はジャブの対処学べと。
中盤のゴールデン街みたいな雑居ビル裏路地みたいなとこでのバトルシーン、やたらクオリティが低い。特にカメラ。アホみたいに揺らして気持ち悪くなるし近すぎて動き見えないし素人かと。他のシーンはそこまでひどくないのでここだけ別の人が撮ってる?(セットだから日本じゃなくてアメリカで撮れそうだし)
ツッコミ待ちなんじゃないかってレベルで警備ガバガバな太陽の石(だったかな)外の門に歩哨とか門番とか、屋外勤め大変なら屋内に詰所で1人在中とかないの?秘宝なんちゃうの?DNAロックに全幅の信頼しすぎでしょ。離れの納谷に置いとく感でしかない。
ニンジャ組織嵐影、案外人手不足なのかも。ラスバトルですぐ一般兵全滅して主要キャストだけになっちゃったし。
3つの試練、全般的にゆるない? 試練いうか思想チェック?
苦労して手に入れた太陽の石、どんなもんかねえ… (ボウー) 強ッよ!強ええなコレ! 門番ボウー お城ボウー 銃弾バリヤー 滅茶苦茶強いなコレ!そりゃ欲しがるわ。
無理やり強奪するかと思いきや、契約通りに話進めるコブラのバロネス。自分勝手嘘つきクズムーブの塊な主人公見てるから、実に誠実な対応に見える。コブラは大分まとも。
嵐影の頭領のババアさん。全般的にパッとしねえな と思ってたけど後半のババア大ジャンプで急に強キャラ感出て良くなった。老人男性の頭領とかよりも多様性があって面白いかも。
バロネス共闘はなかなかグッドなシチュ。ちょっとしか映らなかったけどスカーレットとコンビでのスムーズなマグチェンジとか燃えるシチュ(敵同士だけどお互い有能なので共闘すると急造なのにコンビネーションばっちりなやつ)
トミー演じたアンドリュー・小路さん、要潤に似てるよね?最初要潤なのかと思ってしまった。
全世界興行収入で、興行的に大失敗となったそうな。納得。でも続編作る方向らしい。普通に考えたらもう手を引くクオリティなんだけど、こういう映画は何だかんだ言ってツッコミして文句言うのが面白いので多分続編出たらまた観る。
しかし漆黒のスネークアイズ って、腹黒さが漆黒レベルってことでいいんだよね。事情を考慮しても昨今ぶっちぎりの腹黒マンだったよ。
■ DUNE/デューン 砂の惑星
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、何かもう庵野監督みたいな感じにありつつある。
シン・ブレードランナー(2049)
シン・DUNE/デューン 砂の惑星 状態
次は
シン・2001年宇宙の旅 か? とか冗談めいて思ってたら
アーサー・C・クラークの「宇宙のランデブー」という古典SFの超名作を映画化するらしい。
もう完全にSF映画職人になってる。実際すごいもの作るので正しい流れ。バンバン撮って欲しい。
デューンの映画自体は、スリリングで面白いつくりではあるものの、単体として観ればそう面白い映画では(ゴニョゴニョ
いや、今時こんなすごい絵づくりで重低音で格調高いSF撮って、爆死しない監督(超重要)はノーランと彼くらいなので今後も頑張って欲しい。微力ながら劇場で観て応援します。
■ クリーピー 偽りの隣人
実際の恐ろしい事件である北九州監禁殺人事件に影響を受けていると思われる作品。
娘だと思っていた少女からの「あの人、お父さんじゃありません。 知らない人です」 というセリフのシーンのインパクトは凄かった。
実際観てみると、何かいろいろとっ散らかった印象を受けるが、最後にはそれなりに納得できた。
マインドコントロールされる妻(竹内結子)や、それに抗う夫(西島秀俊)などの後半の行動がいろいろ支離滅裂なのだが、この2人、登場して普通の一般人に見えていたけど、すでにある意味狂ってて、彼らは彼らで彼らのルールにのっとった狂人だったとするとすべてのピースがしっくりハマるつくりになってて、なかなかに戦慄。
香川照之は怪演で素晴らしいが、もっと普通のビジュアルと演技の演技派役者がこの役やった方が、アピール力は弱くなるけど怖さは上がったと思う。思ったより面白い作品だった。
■ ザ・フォーリナー/復讐者
ジャッキーが死んだ目の陰鬱な復讐者となる異色のジャッキー映画。娘がIRA(北アイルランド共和軍)の政治的爆弾テロに巻き込まれ死んでしまった移民のアジア人父親を演じる。おなじみのショボそうにみえたオッサンが実は元特殊部隊の殺人マシン系の流れ。
どちらかというとトラップ的な仕掛けで戦う辺りがリアル。方々に強引な圧力をかけ(個人で)爆弾犯の名前を調べようとする。その際、危険なことはするが殺しはしない。復讐に身を落としているが善人なので人殺しはしない。
なんやかんやで復讐は達成、静かに妻のもとへ戻るラスト。良いラストだと思う。
■ アイの歌声を聴かせて
とにかく想像以上に面白かった!
監督は吉浦康裕。「イヴの時間」という作品で有名な方らしい
普通に面白いし、大事なことだけど『大多数にウケやすい』内容だから、TV放映されたら一気にブレイクするんじゃないかな。
田舎の一般家屋内に現代からみれば最先端のAI搭載家電がすんなり馴染んでる世界が面白い。やりすぎるとファンタジーになってしまうので、近未来(本当に近い将来の近未来)に感じさせるセンスが絶妙で抜群。
ただ母親の自室がいくらなんでも…という気はした。経済的にそう余裕もないし、仕事は自宅に持ち帰らず会社の設備で行い、自宅は最低限の機器で というタイプなのだろうと理解はしているがそれでもな… オシャレにする必要はないけど、映画に出てたタワー型PC数台、安そうなデスクと資料山積み部屋 みたいな感じでよかったのでは。
一見ゴミ箱にしか見えないHDDのシナリオが見事すぎる。勘のいい人なら何回も間違えられる描写が入ることで先の展開を予測してたかもしれないが、自分はポカーンとノーマークだったのでご都合ではない納得の展開に大興奮。
SF、ミュージカル、後半のアクションサスペンスと複数の要素を持つ作品だけど、中核になっている青春群像劇パートが心地よい。
「ブレックファスト・クラブ」という名作品を彷彿とさせるらしい(自分未見、ありがたいことにアマプラにあったので後日鑑賞予定)
個人的にはサンダーはもうちょいゴツい系でもよかったんでは…と思いつつ、柔道系はデカゴツというステレオタイプに縛られてないのが良いところなのかも。
明るい青春群像劇、ドキドキの大人たち出し抜き大作戦、シオンとの友情の感動パートが大多数にウケやすいのは間違いないとして、その裏にチラチラと見え隠れするヤバい要素。
AIの危険性
これを監督は目立たないように、しかし意図的に作品で描いているように思われる。ここがヒネた人達にとっては素晴らしく刺激的。
最初シオンは外部接続不可のスタンドアローンシステムだと思ってたから、シオンが自らの意思で周辺の機器を制御し始めた時は、楽しい歌パートだったけど背筋がゾッとした。 (周辺機器を無線でハックして制御できる存在!しかもそれが試験中のAI…)
ここで最初は(そんな危険なものを作るはずないだろ!無茶苦茶な脚本!)と勝手に憤ってしまったが、完全に監督の手のひらの上で転がされてるだけだった。
分布図グラフ?でAIの試験結果が完璧すぎて最高!って母親が喜んでたけど、あれモニター値は本当に完璧な挙動だったんだと思う。それもすべてシオン自身の思考と意思による捏造。学校の監視モニター映像をリアルタイム改竄までされたら気が付きようがない。
ハチャメチャなことして一見バカっぽい行動してたシオン。でもそれはシオン、いやシオンAIを乗っ取ったたまごっち風玩具の簡易AIから発生した自我獲得AIの、セントラルドグマとでもいうべき『サトミを幸せにする』を遂行するための試行錯誤(基本情報はムーンプリンセス)なので、整合性はとれている。
サトミの幸せ を理解するために、ドグマに沿った稚拙な試行錯誤をする一方、「そういった行動をしていることを研究者に認識されると、妨害されるかもしれないので、データを捏造して認識されないようにする」というクレバーな結論を導き出してるのが怖い。
それらはシオンの絶妙な非人間的笑顔で演出されてる。あんな少ない線でよく絶妙に笑ってない目、感情のない作られた笑顔を表現できるもんだ。だから前半のシオンは正直怖い。完全な不気味の谷現象。機械ボディによる怪力描写もサラッと出てきてさらに恐ろしい。
その辺りを土屋太鳳は見事に声の演技で表現していたと思う。自身の持つ一般的な知名度による集客、告知効果だけでも十分貢献しているのに、実際の演技も素晴らしかったのだから貢献度はとても大きい。
(歌は…個人的には、を前置きして。良いんだけど高音の一番高いところでカツカツ感があるところがチラホラあってそこだけが残念。基本は役者であることを考えると十二分に凄いんだけど、昨今アニメ劇中歌は皆レベル高いからどうしても厳しめにみてしまう)
ただの質問なのに「その質問、命令ですか?」って微妙にトーン変えてこちら向いて笑ってない笑顔で喋るシーンの恐ろしさといったら…
結果的に後が わああ…ファンタジー!!ハッピー!な展開だったから誤魔化されてるけど、監督がAIのヤバさを訴えてるのが一番顕著にわかるシーンだよねここ。
自我を持つ自己学習型AIなんて、どういう経緯で誕生するかわからないんで、玩具の簡素な発音プログラムから誕生したってそう不思議ではないと思う。そういう簡素で単純な状態の時に、ムーンプリンセスに絡んだ情報とサトミ幸せ目的が織り込まれたので、このAIにとってはどんなに自己が高度化しても、それには逆らえないものになってるんだろうな。
自我をデータ化した存在モノのお約束?として、結局妨害出来ずネットの海に放流され、事実上不滅の存在となる流れは「バーチャルウォーズ」で見たやつ(バーチャルウォーズのラスト、俺の産声として世界中の電話を今から一斉に鳴らす ジリリリ は最高だった)
結果的にハッピーなことになってるけど、シオンが暴走したら、誰が止めるの?の答えは出てないんだよな(実際そうなったら情に訴えて説得なんだろうけど)
バッテリー切れ直前のシオンをサトミが体でかばうシーン、結果的にはテーザー弾は発射されなかったけど、あれ発射されてサトミが死んだりしてたら、そこでシオンがスカイネット化する世界線に切り替わりそう。
告白シーンでの唐突なシオンへのテーザー弾ヒットはビビッた。音がでかい。油断?してたのもあって体めちゃビクゥゥ!!ってビクッた。
余談だけど、暴走AIの倒し方で好きなのは漫画「プレイヤーは眠らない」のネタ。(まだ成長途中のユルいAIだったから効いた感もあるけど、AIに己とは何か?の問いを与えて検証の無限ループに落とすやつ。ネットにいると常に自己が変化し続けて永久に答えが出ない)
グダグダ乱文書いて楽しんだからわかるけど、AIに恐怖を感じる人はそこで楽しむ。大多数のそういうの気にしない人達は青春群像劇で楽しむ。と多方面が楽しめるつくりになってるのが素晴らしい。
このお方やこの作品、もっとメジャーになるべき。それだけのポテンシャル十分に持ってる。
傑作!
追記
母親の荒れ方が生々しくてエグいのも良かった。見えないとこから投げつけ鏡割りとかキレキレ。自我獲得AIはシオンに成り代わった訳だけど、その時昨今の母親が一生懸命作ったであろうAIはどうなってしまったの…が気になる。母も今回の超AIの大元作ったのは若き日の自分だからまあいいのかもしれんけど、昨今の自分の努力、否定されてない?って思ってしまう。しかも重要な大元作成は凄いとしても、さらに凄いのは小学生でそれを改造した天才のトウマやし。
まあ返り咲いたから結果オーライか…
■ 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア
アニメ映画は基本的によほど凄かったり、逆によほどヒドかったりしない限り、ファンは満足できる内容。面白かった。
で終わっちゃうことが多いんだよね。今作もそれ。
■ ブレックファスト・クラブ
アイの歌声を聴かせて では
属性が違う5人(孤独優等生、テクノロジーオタク、低実力柔道バカ、何でも80点な醒めたイケメン、イケメンの彼女性格キツめ)がなりゆきでストーリー上絡んで相互理解を深め友達になる
これが『ブレックファスト・クラブ』という映画っぽいというのでそれをアマプラで観た。
その『ブレックファスト・クラブ』。1985年のアメリカ青春映画で名作として有名だそうなのだが…
ぶっちゃけ自分には全然響かなかった。
独善的な問題教師に無理やり補修で学校の一室に呼び出された属性違い5人(お姫様的優等生、高実力スポーツバカ、ガリ勉ヒョロ男、不思議ちゃん、品のない不良チンピラ)が、最初はチンピラが暴れて雰囲気最悪でグダグダになるんだけど、なりゆきで身の上話しあって相互理解する。
この相互理解に至る流れがダルい。ほとんどがテンポの悪いくだらない会話にしか思えない。と思うと急展開したかのように話が進む。7割グダグダやりとりしてたのに、割と唐突に自分の親との不仲話になり、実は自分も…ってことがわかってシンパシーが生まれる感じ。
スクールカーストを明確に描いた最初の作品ってことで有名らしいけど、エンタメとして有能とはとても思えないダルさだった。
両親が粗暴(チンピラ)両親がエリート至高主義で敗北はクズとプレッシャー(スポーツバカ)みたいな話で進む。誰もが皆同じ様な悩みを抱えている という王道展開。
皆の悩み、それの共有、シンパシー。それはわかるが…何か唐突でピンとこない会話なのが残念。時代性のなせる事だろうけど普通にマリファナ吸ってるし。てな訳で90%退屈だったんだけど、10%は非常に良かった。
その10%は何か。そのマリファナでハイになり、会話で相互理解が深まってきたとこで、唐突に、本当に唐突にガリ勉くんがレコードかけて皆が踊り出すシーンがある。特にダンサーでもないはずなのに皆やたらダンスが上手い。このシーンが素晴らしい。
映画自体はつまらなかったけど(直球)本当にこの唐突なダンスシーンは良かった。正直自分に刺さりまくり。今後も時々ここだけ見返すかもしれん。80年代のダサかっこよさ、計算されてない勢いの生み出す美しさみたいなものを感じた。
絶対あるだろうと探したらやはりそこだけ抜粋したyoutube動画あった。やはり皆このシーンに魅力を感じてるんやね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZbGlWN6Z0OA&t=1s
■ スター・トレック イントゥ・ダークネス
この劇場映画シリーズのスタートレック(クリス・パインがカーク船長のやつ)、1は見たことあるけど他未見だったためアマプラで観た。ベネディクト・カンバーバッチが悪役のカーンを演じてる。なかなかにスリリングな展開で、後述のBEYONDよりこっちの方が面白かった。
■ スター・トレック BEYOND
いろいろ派手なシーンや大ピンチが多く、ぶっちゃけエンタープライズ号も大破撃沈して話はデカいんだけど、面白さではイントゥ・ダークネスの方が上だった。面白いが特に何かが残るタイプの作品ではなかった。
■ マトリックス/リザレクション
人によって評価が分かれそう。自分は全然アリ派。悪評を多く聞いていたので期待値を大きく下げていたことが幸いしたのかも。
確かに革新的だったトリロジーに比べれば見劣りはするが、この1本だけで伝説的なトリロジーを超えろなんていう要求の方が無茶だと思う。完全に完結してたトリロジーに対してどういう形で直系の続編にするのか、すごく興味深かった。
ネタバレは避けるが、なるほどそう来たか!と感心してしまうし、確かにそうすると観客は気分いいよね!と爽快感も計算してるであろうウォシャウスキーズの脚本手腕に感服してしまう。
あくまでトリロジーがあり、それに対してのプラスワンであり、ボーナスエピソード という感じが一番妥当ではなかろうか。ネオ@キアヌはジョン・ウィックでそれなりに歳を重ねた姿見続けているので無問題だが、さすがにトリニティのキャリー・アン・モスはそれなりの年齢を感じさせた。
でもこの作品、そういう歳を重ねたトリニティを実に上手く、美しく撮っていた。ライティングやシチュエーションづくりが上手い。キャリー・アン・モスもリローデッドの時点で皺が目立ち、1から続いてる若い謎の美女トリニティを演じなければいけないプレッシャーに晒されてる感があったが、今作ではそういった重圧から解放され、今の歳を重ねた姿で堂々としているように感じられ、非常に好印象。
ウォシャウスキーズもこれ以上新シリーズで続けるなどという気もまったくないと明言しているため、完璧なボーナスエピソード。ありえたもうひとつの世界線みたいになってる。
これでようやくマトリックスも綺麗に終われた感じ。傑作ではないけど十二分に値段分楽しい良作エンタメ。
■ エクスクロス 魔境伝説
ケータイが思いっきりガラケーだった2007年ごろに撮られた邦画。あの深作欣二のご子息、深作健太が監督。
まあ…何というか…デンデラ枠といえば話が早いかと。
まずエクスクロスってのがよくわからない。原作のミステリーがあるらしいのでそれ見れば分かるかもしれないけど、映画観ただけではチンプンカンプン。何か主人公2人が持ってるガラケーの一部分がやたら十字に光って、
それが二つのX X X に見えるから? ? エクス クロス ?? ??? もういいやこの件は。
とにかく何かダマされて山奥のさびれた村の温泉地に来たら、代々誘い込んだ人間の足を切断して生贄にする魔の村系的な話。わりとおどろおどろしくて低予算の割にはよい出来。
でもそれだけじゃ平凡。この作品、何か知らんが小沢真珠がゴスロリ風のブチ切れた女に扮してて、バカデカいハサミで襲い掛かってくる(小説版ではそれなりにその恰好に理由があるらしいが、映画では唐突かつチンプンカンプン)
はっきり言ってグッチャグチャでバカバカしい作品なのだが、謎の勢いがあり、ミステリ小説が元だけあってそれなりにミスリードやどんでん返しもあって結構面白い。そういう真面目な面白さと、小沢真珠のバカバカしいブチ切れ殺し屋ゴスロリみたいなアホさが噛み合って、いや噛み合ってないが混然一体となってなかなか良い。
声だけ小山力也が出演してる。若き日のしょこたんも出てる。主演は松下奈緒。はっきり言って本人的には黒歴史だと思う。
■ 劇場版 呪術廻戦 0
2021年を締めくくるにふさわしいアニメ大作。とにかく初動の劇場の入りが凄かった。
12/25に観たのだが、ほぼ全埋まりで数個しか席が空いてないような状態が、4つ先の上映でも全てそれ。ほぼ全ての上映で満席。シネコンで3つ劇場を当てているにも関わらずですよ。
これだけ入ってるのは自分の記憶ではハリーポッターの初期くらいじゃないかな。無限列車でも初動はこれほどひどくなかった。それぐらい混んでた。
この映画、まあ普通に全般的なクオリティ高くて素晴らしいのだけど、特筆すべきは乙骨憂太を演じた碇シンジくんの緒方恵美。誰しもが最初は シンジくんやん って思うんですよ。けどこれしょうがない。乙骨くん、ほぼシンジくんなキャラだもの。それゆえにまんま本人な緒方恵美にやらせるってどーなの と思ってたんですが…
…いやまあ…本当に、本当に緒方恵美は上手いんですよ。ああいう役が。これ声優選ぶ音響監督も、シンジくんやんって言われるわかってるからやめておこうと思ったはず。でもオーディションやってこの演技聞かされたら… もう選ばざるを得ない って気分になったんじゃないかと思う。
自己評価が低くて、内向的で、繊細で、いろいろいっぱいいっぱいで、仲間思いのいいやつで、それでいてキレると何するかわからない危うさがあって、覚悟が決まると鬼気迫る狂的な怖さを発揮する まんまシンジくんなんだけど、これまんま乙骨くんでもあるんだよね。
何年そういうキャラやってると思ってんだ みたいな貫禄ありました。そして本人がシンジくんとの類似上等で、ちゃんと差別化を図ってるのが後半にわかります。シンジくんに似てるけど、ちょっと違う感じがある。ちょっと乙骨くんの方が大人な感じ。
2時間の映画で序盤の乙骨と、最終決戦の乙骨は全然別人。精神が成長してるのが声でわかるんですよ。いやどんだけスゴイのって話です。緒方恵美話ばっかになってしまったけど、この作品で圧倒的に力持ってるのがそこなので、熱く語ってしまいました。言うまでもないけど映画は大変面白かったです。
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